Bunkamuraではこの春、「ブンカチャージ」と題し、心の栄養となる様々な文化芸術体験をお届けいたします。この期間に合わせて、Bunkamuraドゥマゴ文学賞では、読書をより身近に、より深くお楽しみいただけるよう、書店員さんがおすすめする書籍をご紹介してまいります。
選書テーマは「心をチャージしたいときに読む本」。WEB連載「私のBunkamuraドゥマゴ文学賞」にご参加いただいた渋谷周辺の書店の方々にご協力いただき、元気になりたい時に手に取る本や、原動力となる言葉が詰まった、心がときめく作品などが登場します。
今年は読書で“心をチャージ”する春を過ごしてみてはいかがでしょうか?
<No.4>
『死ぬまでに行きたい海』岸本佐知子 スイッチ・パブリッシング
Flying Books 山路和広
幼少期を過ごし慣れ親しんだ「地元」から、想像だけで描かれた、まだ一度もいったことのないところまで。実際に足を運ぶという趣旨で始まったエッセイは、空間的なヨコ軸だけでなく、時間的なタテ軸の移動をもともなう、ノスタルジアとユーモアが絶妙にブレンドされた珍奇な見聞録に。鋭い観察眼と、それに折り重なり、予想の斜め上からくる妄想力の岸本佐知子節は、なかなか旅に出られない日々も痛快な気分にさせてくれます。
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<推薦いただいた書店>
渋谷駅から徒歩数分、街でいちばん猥雑な地区にある古本屋。写真、アートから海外文学まで、国内外のちょっとマニアックな古書が並んだ店内では、店主のパリの文学カフェへの憧憬から設置されたカウンターでワインやコーヒーを飲むことができ、たまにポエトリー・リーディングなどの催しも。
http://www.flying-books.com/ (外部サイトにリンクします)
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