私のBunkamura文学賞

推薦書籍

No.3

『うつくしい繭』 櫻木みわ 講談社

Flying Books
 山路和広

『うつくしい繭』 櫻木みわ 講談社

文学に求めるものとは?
想像もしなかった事象を、擬似的に体験させてくれるファンタジーの世界?
あるいは、簡単には覗くことのできない世界の住人たちの生活模様?

内戦後の街で老婆とともに生きる、貧しく無垢な少女に与えられた不思議な力。
密林の奥にある各国のセレブリティがお忍びで訪れるヒーリングルーム。
難病の家族を救う新薬と古代の寺院。
夏休みに南洋の離島で少女と発見した貝殻と不思議な力。

それぞれ地図上に記された地名はあるものの、4つの舞台で繰り広げられるのは、櫻木みわならではのまったく新たな物語。
単なる旅行者ではない、異郷での実生活を体験した著者にしか描けないであろうリアリティと、時折織り交ぜられる社会風刺。家族や恋人への慕情や悲哀を根底に染み込ませることによって、現実味を持たせた近未来的なファンタジーの世界。
この相反する要素の間を自由に行き来し、絶妙なバランスで紡ぎあげられた4篇は、新たに切り拓かれた文学ジャンルとさえ言って良いのではないだろうか。

特典

Flying BooksにてBunkamuraドゥマゴ文学賞関連書籍をお買い上げの方、先着5名様に Bunkamuraドゥマゴ文学賞オリジナル文庫用ブックカバー(非売品)をプレゼントいたします。

※特典はなくなり次第終了となります。予めご了承ください。

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