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Bunkamuraドゥマゴ文学賞 パリのドゥマゴ賞 Le Prix des Deux Magots Paris

Le Prix des Deux Magots 2014

【受賞者】

Étienne de Montety(エチエンヌ・ド・モントティ)

【受賞作品】

『La route du Salut(救いの道)』

【出版社】

Éditions Gallimard(ガリマール)

舞台は90年代のボスニア。フランスから来た二人の若者がセルビア人を相手に戦う。
ナンテールにあるパリ第10大学で学ぶポーランド移民の子モスコ(Mosko)は、イスラム教徒の学生と知り合い、イスラム教に導かれる。やがてユーゴスラビア紛争が勃発すると、ボスニアの同志を助けるために結集したムジャヒディンの仲間入りをする。一方もうひとりのファリュダン(Fahrudin)は、チトーの没後フランスにやって来たボスニア系移民の子。ルーアン郊外で育ち、外人部隊に入隊する。ユーゴスラビア紛争が勃発すると部隊を脱走し、ボスニアに向かった。ヨーロッパの中央に位置する国が炎をあげるなか、二人は出会う。
ユーゴスラビア紛争当時の状況をよみがえらせながら、『救いの道』が深く真摯に掘り下げるのは行動の選択、信仰、軍人の品格と限界、永い歴史に育まれたヨーロッパの新時代における複雑に増大するアイデンティティのかたちである。

Étienne de Montety

文学誌Le Figaro littéraireの元編集長。多くの評伝を著すほか、小説には『L’article de la mort(死のまぎわ, 2009)』がある。

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