フィリップ・モンクラールは理想を追い求める文学部の学生。フィリップはパリの知識階級が絶賛していたフレデリック・ストーフという哲学者に魅了され、彼の過去を調べて消息を追っていた。出会った2人は仲良くなり、やがて師弟関係が成りたった。
ストーフはフィリップに、自分の生涯について語り、そして無名で世に埋もれたような暮らしをしながら、いかに自殺が人生の唯一の解決口であると説くようになったかを打ち明ける。また、フィリップを納得させようとして、セナンクール、レオパルディ、ニーチェ、ブロア、ヴァルザーなどという作家たちの大失敗に終わるが堂々たる人生を例に挙げて、ストーフは語る。
しかし、どういうわけか、最初の頃に魅惑されていたフィリップは次第に師匠ストーフを疑い始める。古代ローマにおける自殺の専門家である旧友に会いにローマへ行き、ついにソフィストの後継者にでも騙されているのではないかと思いつく。最後に運命の手先になるのは、フィリップの恋人アリアーヌである。
Bunkamuraドゥマゴ文学賞 パリのドゥマゴ賞 Le Prix des Deux Magots Paris
- 受賞作品
- 受賞作品一覧
Le Prix des Deux Magots 2009
【受賞者】
Bruno de cessole(ブルノ・ド・セソール)
【受賞作品】
『ルール・ド・ラ・フェルムツール・ダン・レ・ジャルダン・ドックシダン(西洋の公園の閉園時間)』
【出版社】
ラ・ディフェランス出版
【受賞者プロフィール】

ブルノ・ド・セソールは記者、文学評論家であり、フランス・クルチュルというラジオ番組に参加。そのほかにフィガロ紙、レクスプレス誌、ルポワン誌、レ・ヌーヴェル・リテレールやレ・レトル・フランセーズの文学雑誌などに執筆している。ラ・ルヴー・デ・ドォ・モンド誌の編集長を得て、現在ヴァルール・ザクチュエール誌の文化欄を担当。2001年には『プロポ・アンタンペスティフ(相応しくない言葉)』という記事集をラ・ディフェランス出版にて出版している。
【ドゥマゴ文学賞の選考委員会 メンバー】
ジャン-ポール・カラカラ、ジャン・シャロン、マリ・ドゥロルム、エリック・デショット、ルイ・ドュセ、アドリアン・ゴッツ、ピエール・キリア、マルク・ランブロン、ジル・ラプージュ、エリック・ヌーホフ、エリック・オリヴィエ、アンヌ・ポンス、ジャン-マリー・ルアール(アカデミー・フランセーズ会員)