Bunkamuraではこの春、「ブンカチャージ2022」と題し、心の栄養となる様々な文化芸術体験をお届けいたします。この期間に合わせて、Bunkamuraドゥマゴ文学賞では、読書をより身近に、より深くお楽しみいただけるよう、書店員さんがおすすめする書籍をご紹介してまいります。
選書テーマは「新たなトビラがみつかる本」。新しいことに挑戦したくなる春にこそ読みたい、未知なる世界に誘う作品が登場します。本を選ぶのは、WEB連載「私のBunkamuraドゥマゴ文学賞」にご参加いただいた書店の方々。日頃から多くの文学作品に触れる書店員さんの、それぞれの想いをのせた推薦文とともに書籍をご紹介します。
今年の春は、新たなトビラを開く読書を体験してみませんか?
<No.4>
『二千億の果実』宮内勝典 河出書房新社
Flying Books 山路和広
これまでに誕生した人間の総数はおよそ二千億。南アフリカの娼婦、ニカラグアのゲリラ隊長、アインシュタインの脳を摘出した医師、霊長類に言葉を教える研究員、宇宙と交信する天文学者から、歌舞伎町のマフィアや、ハルピンや鹿児島などの回想まで。テンポのよいオムニバス形式で綴られ、長年に渡り自らの身を置いた取材だからこその臨場感で体感できる、地球に実った二千億の果実の物語。
<推薦いただいた書店>
渋谷駅から徒歩数分、街でいちばん猥雑な地区にある古本屋。写真、アートから海外文学まで、国内外のちょっとマニアックな古書が並んだ店内では、店主のパリの文学カフェへの憧憬から設置されたカウンターでワインやコーヒーを飲むことができ、たまにポエトリー・リーディングなどの催しも。
http://www.flying-books.com/ (外部サイトにリンクします)