一番の注目は、古楽界の巨匠、ロジャー・ノリントンの登場に違いない。既にN響とは共演を重ね、素晴らしいコラボレーションを披露しているが、「N響オーチャード定期」はデビューとなる。彼の十八番の古典派音楽からモーツァルトが演奏される。バロック・ヴァイオリンの名手であり、ノリントンと同じく古楽畑出身のアンドルー・マンゼの指揮も楽しみだ。また、今シリーズは、国際的に活躍するアジア出身のアーティストの演奏にも期待したい。指揮の高関健、リュウ・シャオチャ(台湾出身)、ピアノの小川典子、ヴァイオリンの木嶋真優、岡崎慶輔、ソプラノの森麻季は、みな、欧米でも高く評価されている実力派である。そのほか、現代最高のハープ奏者、グザヴィエ・ドゥ・メストレの登場もうれしい。モーツァルトのピアノ協奏曲第19番をハープで弾いてしまうところが彼らしい。ポーランドの若きマエストロ、ミハウ・ドヴォジンスキーは興味津々。18世紀のモーツァルトから20世紀のラヴェル、ショスタコーヴィチまで、名曲を中心にバラエティに富んだ選曲も魅力的だ。
ヴェルディ:歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲
Verdi: Overture to the opera "I Vespri Siciliani"
ヴェルディ:歌劇「椿姫」から ああ、そはかの人か~花から花へ~
Verdi: "Ah, fors' è lui...Sempre libera" from the opera "La Traviata"
プッチーニ:菊の花
Puccini: Chrysanthemums
プッチーニ:歌劇「つばめ」から~ドレッタの夢
Puccini: "Chi il bel sogno di Doretta" from the opera "La Rondine"
プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」から第3幕への間奏曲
Puccini: Intermezzo to Act III from the opera "Manon Lescaut"
プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」から~氷のような姫君の心も
Puccini: "Tu che di gel sei cinta" from the opera "Turandot"
プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」から~私が町を歩くと(ムゼッタのワルツ)
Puccini: "Quando me'n vo" (Musetta's Waltz) from the opera "La Bohème"
ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」
Mussorgsky-Ravel: Suite "Pictures at an Exhibition"
名実ともに日本を代表するソプラノ歌手となった森麻季が「N響オーチャード定期」に登場し、ヴェルディとプッチーニというイタリア・オペラの真髄を披露する。「椿姫」のヴィオレッタ、「トゥーランドット」のリュー、「ラ・ボエーム」のムゼッタのアリアでの、彼女の澄んだ美声には魅了されることだろう。指揮のミハウ・ドヴォジンスキーはポーランドの新進気鋭のマエストロ。ロンドン交響楽団の副指揮者を務めたことからイギリスでの活躍が顕著だが、祖国でもクラコフ・ベートーヴェン・アカデミー管弦楽団やシチェチン・フィルの首席指揮者を歴任。これからのポーランド音楽界を担う逸材として期待されている。色彩感に満ちたムソルグスキー(ラヴェル編)の「展覧会の絵」はそんな若きマエストロの実力を聴くには最適の作品といえよう。
NHK交響楽団の歴史は、1926年10月5日にプロ・オーケストラとして結成された新交響楽団に遡る。その後、日本交響楽団の名称を経て、1951年に日本放送協会(NHK)の支援を受けることとなり、NHK交響楽団と改称した。この間、ドイツからジョセフ・ローゼンストックを専任指揮者として迎え、日本を代表するオーケストラとしての基礎を築く。演奏活動の根幹となる定期公演は1927年2月20日の第1回予約演奏会に始まり、第2次大戦中も中断することなく続けられた。以来、今日に至るまで、ヘルベルト・フォン・カラヤン、エルネスト・アンセルメ、ヨーゼフ・カイルベルト、ロヴロ・フォン・マタチッチなど世界一流の指揮者を次々と招聘、また、話題のソリストたちと共演し、歴史的名演を残している。
近年N響は、年間54回の定期公演(NHKホール、サントリーホール)をはじめ、全国各地で約120回の演奏活動を行っている。その演奏は、NHKのテレビ、FM放送で全国に放送されるとともに、国際放送を通じて欧米やアジアにも紹介されている。また、2013年8月にはザルツブルク音楽祭に初出演するなど、その活動ぶりと演奏は国際的にも高い評価を得ている。
現在N響が擁する指揮者陣は、名誉音楽監督シャルル・デュトワ、桂冠指揮者ウラディーミル・アシュケナージ、名誉指揮者ヘルベルト・ブロムシュテット、名誉客演指揮者アンドレ・プレヴィン、正指揮者 外山雄三、尾高忠明。
ヴェルディ:歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲
ヴェルディ:歌劇「椿姫」から 「ああ、そはかの人か~花から花へ」
プッチーニ:菊の花
プッチーニ:歌劇「つばめ」から「ドレッタの夢」
プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」から第3幕への間奏曲
プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」から「氷のような姫君の心も」
プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」から「私が町を歩くと(ムゼッタのワルツ)」
ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」
指揮:ミハウ・ドヴォジンスキー
ソプラノ:森 麻季
2014/7/13(日)15:30開演
第1部 60分
休憩 15分
第2部 40分
※17:25終演予定
Bunkamuraオーチャードホール
[主催]
Bunkamura
S¥7,500 A¥6,000 B¥4,500 C¥3,000(税込)
※公演中止の場合を除き、チケットの払い戻しはいたしません。
※やむを得ず、曲目・出演者が変更になる場合がございますのでご了承ください。
※C席はシリーズ券継続で完売の場合、新規シリーズ券・1回券の販売はございません。
※年間シリーズ券とC席(1回券)のお取り扱いは終了いたしました。
2013/11/09(土)
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03-3477-9999
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イープラス
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・開演60分前(14:30)よりオーチャードホール当日券売場にて発売
・S席¥7,500-、A席¥6,000-を発売予定
※学生券:半額、要学生証提示
※後半券:半額、休憩後、残席がある場合のみ販売
なお、Bunkamuraチケットセンターでは前日まで、オンラインチケットMyBunkamuraでは公演日の2日前までお取扱いしております。
Bunkamura 03-3477-3244