2004年8月、サイトウ・キネン・フェスティバルのゲスト・コンダクターに大抜擢されて大成功のうちにデビューを果たした大野和士。現在、日本でスケジュールを押さえるのが最も難しい指揮者ともいわれる中、オペラの普及や教育にも力を注いでいます。
その大野和士の2004年夏の活動を密着取材。動画では、サイトウ・キネン・フェスティバルのリハーサル風景や本番の模様をはじめ、オペラに対する深い理解と愛情を1人でも多くの人に伝えたいという想いを込めた活動、魅力的な表情の数々を、様々な角度からレポートいたします。
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「大野和士の音楽世界」
 日時:2004年8月9日(月)
 場所:朝日カルチャーセンター(新宿)
満場の中開催された「大野和士の音楽世界」。どのように指揮者になったのか、指揮者の仕事とは、そしてモネ劇場での音楽監督の仕事について講演が行われた。
少年時代のオペラとの出会い、学生時代やミュンヘン留学中の偉大な指揮者たちとの出会いやザグレブ時代の話、モネ劇場でオペラを作り上げていく過程など、普段は聞くことのできない話の数々は大変興味深いものばかり。
大野はピアノの演奏を交えながらオペラの世界を情感豊かに表現し、わかりやすい言葉で語る。時には笑いを誘いながらも、オペラや音楽への熱い想いに引き込まれていく講演だった。

「大野和士のオペラ・レクチャーコンサート」
 日時:2004年8月14日(土)
 場所:神奈川県立音楽堂(横浜)
“木のホール”の愛称をもつ神奈川県立音楽堂は、神奈川出身の大野が12歳の時に小学校のクラブを率いて“指揮者デビュー”を果たした想い出の場所だという。「オペラ・レクチャーコンサート」は、オペラをまだ見たことがない人にもその魅力を深く味わってほしいと大野が力を注いでいる活動。ヴェルディの「アイーダ」、「椿姫」、プッチーニの「ボエーム」から選りすぐりの名場面の魅力を、自らピアノを弾き、解説をしながら、気鋭の歌手たちと共に紹介していく。
オペラの楽譜のフレーズや音符ひとつひとつから作曲家の意図を深く読み解き、そこに込められた物語性や登場人物の感情を生き生きと語る大野。日本の歌謡曲やアニメ曲との比較まで飛び出し、オペラの魅力を楽しく知ることができるコンサートだった。

「サイトウ・キネン・フェスティバル」
 オーケストラ コンサート〈Aプログラム〉
  ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
  望月京:ホメオボックス
  ファリャ:バレエ音楽「三角帽子」全曲
 日時:2004年8月22日(日)
 場所:長野県松本文化会館(松本)
大野自身が「フェスティバルらしい華やかな曲を選んだ」というオーケストラ コンサートのプログラム。妥協のないリハーサルが行われ、メンバーからは「求められていることがわかりやすい」「明確な指揮」という声が聞かれた。海外から参加したメンバーには英語、フランス語、ドイツ語で指示を出す場面も見られた。
舞台上での真剣な表情とは対照的に、本番の幕間には舞台に出る直前にメンバーやスタッフらを笑わせるリラックスした姿が印象的。緊張感の中にあっても、フェスティバルを楽しんでいるように見えた。
大成功のうちに終了した公演後のカーテンコールでは、オーケストラが退場した後に一人で舞台上に呼ばれる場面もあり、サイトウ・キネン・フェスティバルでの華やかなデビューを飾った。


大野和士 2004年 夏の活動を動画でレポート!

Vol.1 「大野和士 2004年 夏」
サイトウ・キネン・フェスティバルのファリャ「三角帽子」と、ヴェルディ「運命の力」序曲のリハーサル風景を中心に、大野和士の2004年夏の活動と魅力的な表情の数々をご覧ください。



Vol.2 「大野和士の目指す指揮とは」
ミュンヘン時代の恩師パタネーに影響を受けた大野が目指す指揮とは?
サイトウ・キネン・フェスティバルのリハーサルでヴェルディ「運命の力」序曲を作り上げる様子を中心に、オペラに対する情熱や、ふだん見ることのできない指揮者の活動をご覧ください。



Vol.3 「密着ドキュメント in 松本」
サイトウ・キネン・フェスティバルでみせた、大野和士 秘蔵映像の数々を一挙公開いたします。楽屋入りの様子、開演直前の舞台袖で共演者たちを笑わせる場面などリラックスした表情は必見です。また、楽屋での望月京氏(作曲家)との打合せの場面、終演直後の様子など、コンサートの舞台裏の貴重な映像をご覧いただけます。気さくで魅力的なマエストロの人柄、素顔の数々をご覧ください。



「共演者からみた大野和士の魅力」
〜インタビュー編〜
打合せやリハーサルを重ね、共にオペラやコンサートを作り上げる共演者からみた大野和士とは?緑川まり(ソプラノ)、望月京(作曲家)、吉野直子(ハーピスト)、児玉桃(ピアニスト)各氏に、マエストロのリハーサルでの様子、公演以外の場面でみせる表情や人柄について語っていただきました。


撮影・編集: GROW
協力: 朝日カルチャーセンター
神奈川県立音楽堂
サイトウ・キネン・フェスティバル


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