無類の女好きの貴族、ドン・ジョヴァンニはドンナ・アンナを誘惑するものの思いを遂げられず、かえって父親である騎士長から決闘を申し込まれ、殺害してしまう。父親を殺されたドンナ・アンナと許婚者のドン・オッターヴィオは復讐を誓う。一方、ドン・ジョヴァンニはかつて自分が捨てたドンナ・エルヴィーラと再会し、そうとは気が付かずに性懲りもなくまた言い寄る。彼女から罵声を浴びせられて窮地に陥るものの従者レポレッロに後を託してなんとか脱出する。その後も火遊びをやめようとしないドン・ジョヴァンニの前に、石像と化した騎士長が現れ強く改心を迫るが、頑として聞き入れようとしない。説得を諦めた騎士長が姿を消すと、ドン・ジョヴァンニは地獄の火に包まれ奈落の底に引きずり込まれる。

モーツァルトの不朽の名作「ドン・ジョヴァンニ」
 喜劇の形式をとりつつもその枠をはるかに超え、人間の欲望の根源に迫る大胆かつ緻密な人物描写と、劇的緊張感に満ちたストーリー展開が観る者を圧倒する「ドン・ジョヴァンニ」(1787年、プラハにて初演)。主人公ドン・ジョヴァンニの飽くことなき女性遍歴を軸に、彼を取り巻く様々な人々の悲喜こもごもの人生模様を、モーツァルトならではの変幻自在の音楽が生き生きと描き出しています。従者レポレッロが歌う「カタログの歌」をはじめ、改心するようにとの忠告を聞き入れない主人公が運命の業火に包まれる地獄落ちのシーンなど、観どころ聴きどころには事欠きません。オペラ史上最高の作品とも評される「ドン・ジョヴァンニ」の上演にぜひご期待ください。

© Johan Jacobs


ページの先頭に戻る
Copyright (C) TOKYU BUNKAMURA, Inc. All Rights Reserved.