印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション

Interviewインタビュー

本展覧会の音声ガイドを担当するのは、声優の大塚明夫さん。音声ガイド収録後に、大塚さんにインタビューを行いました。

Q.収録お疲れさまでした。収録時に気を付けた点などはありますか?
大塚さん:主役はあくまでも作品なので、あまり自分の声が前に出すぎないように気を使いました。
展覧会をご覧になるみなさんが、絵に集中しやすいように。
Q.音声ガイドナビゲーターに決まった時の感想をお願いします。
大塚さん:博物館のガイドは担当したことがありましたが、絵画の展覧会は初めてだったので、イメージを膨らませながら収録までを過ごしました。
Q.出品作品でお気に入りの作品はありますか?
大塚さん:アンリ・ル・シダネルの《月明かりの入り江》が好きです。ほっとする作品だった。
ポール・セザンヌ 《エトワール山稜とピロン・デュ・ロワ峰》も気になったな。明るい空の色がよいなと。特にシダネルの作品のような、その場の空気感を感じる優しい作品は好きですね。
  • アンリ・ル・シダネル 《月明かりの入り江》 1928年 油彩・カンヴァス
    © CSG CIC Glasgow Museums Collection
  • ポール・セザンヌ 《エトワール山稜とピロン・デュ・ロワ峰》 1878-79年 油彩・カンヴァス ケルヴィングローヴ美術博物館蔵
    © CSG CIC Glasgow Museums Collection
Q.好きな作家はいますか?
大塚さん:ピカソは他人と思えませんね。モディリアーニも好きです。心に何か引っかかる、惹かれるものがあります。
Q.本展の音声ガイドのききどころをお願いします。
大塚さん:「最初」と「最後」かな。どんな内容なのかは、聞いてからのお楽しみです。このガイドを聞くと、スコットランドに行きたくなるかもしれないですね。声のトーン等も、なるべく自分の素は出さずに収録に挑みました。展覧会に来る人は、作品を見に来ているので、僕の主張が強すぎないよう自然に聞こえるよう意識をしました。
Q.ウィリアム・バレルはコレクターでもありますが、大塚さんご自身が何かコレクションしているものなどはありますか?
大塚さん:僕ね、収集癖がないんです。たくさん何かを集める、というよりは、ひとつのものを長く、大事に使いたい。大事にしているのは、バイク。もう自分のバイクと20年も一緒にいるんです。ちょうど2019年でハタチですね、あいつ(バイク)は。
Q.音声ガイドでバレル卿を演じてみて、バレルはどんな人だと思いますか?
大塚さん:本当に相当なデキる男、ビジネスマンだったんだろうなと。英国国内から出すことを禁じる、とか。今、作品が日本にあるということを知ったらびっくりするでしょうね。バレルは自分のためのコレクションにするために多くの作品を集めていたけれども、年を重ねるごとに、もっと多くの人に作品を見てもらいたい、という思いが芽生えてグラスゴー市に寄贈したのかもしれませんね。大好きな絵画にのめりこんで、お金を使う、というのは素敵だなと。男のロマンを叶えたような人ですね、バレルは。
Q.普段、プライベートで美術展には行かれますか?
大塚さん:バイクに乗って、少し都内から離れた美術館に行ったりします。最近はあまり行けていなかったのですが、今回、音声ガイドを担当したことで、改めて美術っていいなと。もっと行きたいと思いましたね。幼い頃は絵が好きで、よく描いていました。漫画みたいなやつだけど。美術の授業も大好きだったので、絵は身近な存在でした。
Q.ご来場の方にメッセージをお願いします!
大塚さん:音声ガイドは、私の声を聴こうとはせずに、絵を見るためのBGMだと思って聞いてもらいたいです。絵に集中してもらうにはどうしたらよいか、気持ちよく展覧会を楽しんでもらうために心がけながら収録をしました。耳ももちろんですが、目に意識を集中して、ぜひ展覧会を、「海運王の夢」を味わってください。会場で、きっと素敵な航海の時間を過ごしていただけることでしょう。