スタッフダイアリー

2006年2月アーカイブ

『印象派と映画』

現在「ポーラ美術館の印象派コレクション展」が開催されています。
私は映画が好きでよく観るのですが、印象派絵画と言えば、映画とも関係が深い一面があります。 ロートレックの生涯を描いた『葡萄酒色の人生 ロートレック』、ロートレック等多くの画家たちが通ったナイトクラブを舞台にした『ムーラン・ルージュ』、モネ・マニアが華麗なる泥棒として暗躍する『トーマス・クラウン・アフェアー』等、印象派の画家や作品に関わりのある作品は多く、また、かの巨匠オーギュスト・ルノワールの次男ジャン・ルノワールは映画監督として『フレンチ・カンカン』や『ゲームの規則』等の名作を世に送り出しています。
中でも画家の人生を描いた作品となるとやはり思い浮かぶのはゴッホですね(ちなみに彼の甥の孫、テオ・ヴァン・ゴッホも映画監督)。有名なのはヴィンセント・ミネリ監督、カーク・ダグラス主演の『炎の人ゴッホ』(1956)とロバート・アルトマン監督、ティム・ロス主演の『ゴッホ/謎の生涯』(1990)の2作。いずれもゴッホのキャラクターや描かれている視点が違うため、それぞれに見どころがあります。『炎の人ゴッホ』は同名小説の映画化で、映像的にも印象派絵画を意識した作りですし、同時代のさまざまな画家たちが登場するので、印象派入門と言った趣で楽しめます。カーク・ダグラス演じるゴッホは純粋で誠実であるがゆえに精神的に破綻をきたしてしまうある意味正統派。『ゴッホ/謎の生涯』は弟テオとの関係性を中心に描いていて、冒頭にゴッホの「ひまわり」のオークションシーンを持ってくるあたりはハリウッドの奇才ロバート・アルトマンらしいペーソスの効いた演出。この作品でティム・ロスが演じるゴッホは、より激しく荒い気性で、神よりも絵を尊ぶ狂気にまみれたある種意外なキャラクター。どちらが真実のゴッホかはさて置き、見比べて見ると面白いと思います 。

乳幼児連れで行きやすい美術館

私ごとで恐縮ですが、一昨年11月に子供を出産ししばらく育休でお休みをしていました。
その間子育ての合間にまだ0歳の息子を連れていくつかの美術館を訪ねました。
場所は大体、都心の美術館よりも郊外の美術館です。
何故郊外かというと
1. 車でアクセスできる(子供との移動手段はやはり車が便利)。
2. オムツ替えをしたり授乳室があったりといった設備面が充実している
(乳幼児連れのお出かけでの大きな心配事はこういった設備があるかどうかということです。出かける前には必ずWEB等でチェックする方も多いのでは)。←この点についてはBunkamuraも隣接する東急百貨店本店7Fにベビー休憩室があり非常に安心です!!
3. 郊外なので施設が広いところが多くベビーカーに乗せて鑑賞してもゆったりと周りを気にせず鑑賞できる。
4. ちょっとしたリゾート気分も味わえる。
0歳児にはもちろんまだアートはわからないでしょう。
でも、一日中育児に追われるマザーには何よりのリフレッシュになります。鑑賞後にはパワーアップしてまた育児にあたることができます。
そんな意味でも現在当館で開催中の箱根にあるポーラ美術館も、とてもオススメの美術館です。
実は郊外の美術館は乳幼児連れで出かけるにはとてもいい場所であるということを発見しました。