小山実稚恵が新たに挑む、ベートーヴェンを見つめる3年間
小山とオーチャードホールは、2006年からの12年間・24回のリサイタルシリーズ『小山実稚恵の世界』を完結させ、驚くべきレパートリーの広さで喝采を浴びました。この12年、多くの楽曲を横断してきた小山が、今、改めて取り組みたいと意欲を見せるのがベートーヴェンのピアノ・ソナタです。
作品101からの5曲のソナタを軸に据えつつ、プログラムとして最も美しいと思える作品を組み合わせることで、全6回のプログラムが完成しました。ベートーヴェン生誕250周年となる2020年には、オーケストラとの共演で、演奏される機会の稀なベートーヴェンが13歳の時の作品「協奏曲第0番」をラインナップ。ピアノ音楽の最高峰とも言うべきベートーヴェンの後期ソナタをこれまでもたびたび演奏会で取り上げてきた小山。その珠玉の傑作群を核として構成された今回のプログラムには彼女の並々ならぬ決意が感じられます。昨年、紫綬褒章を受章するなど、まさに円熟の時を迎える第一線の彼女が織りなすベートーヴェンの深みにご期待ください。