現代日本画を代表する画家東山魁夷。東京美術学校(現東京藝術大学)を卒業後、1933年に第1回日独交換学生としてドイツ留学を果たし、第二次大戦後の1947年、「残照」が第3回日展で特選を受賞しました。その後も、澄んだ清らかな色調の風景画を次々と発表し、57歳で日本芸術院会員となり、1969年には文化勲章を受章するなど戦後の日本画壇に大きな功績を残しました。また、唐招提寺より依頼を受けた御影堂の障壁画は、10年の歳月をかけて制作し、昭和の時代が残した名作として高く評価されています。その一方で、北欧やドイツ、オーストリアを取材し、ヨーロッパ各国の美しい風景も描き数多くの作品を残しました。
澄み切った清流のせせらぎ・霧に包まれた山峡・鈴虫や野鳥の鳴き声が響き渡る森や泉など、豊かで美しい日本の四季は日本人の心の琴線に触れ、どこか自然や宇宙の神秘性を感じさせます。
今展では、東山魁夷の版画作品を特別セール価格にて展覧販売致します。独自の様式化の中で表現された風景画を通じて、失われつつある日本の自然の美しさをあらためて感じ、こころに潤いと安らぎをもたらす東山の世界を堪能してください。