主役の2人以外のソリストにも高度な歌唱力が要求される「ポーギー&ベス」に、それぞれの役柄にふさわしいメンバーが顔をそろえた今回のプロダクション。指揮者で芸術監督のウィリアム・バークハイマー氏は「今までにないキャストが揃った。特にポーギーは過去最高の素晴らしいキャストだ」と自信を見せている。ほとんどのキャストに黒人歌手を配さなくてはならないため、日本ではなかなか公演されることのない「ポーギー&ベス」。最高のキャストでご覧いただく貴重な機会を、ぜひお見逃しなく!!
※ポーギーはトリプル・キャスト、ベスはダブルキャストの予定。キャストは当日発表となりますので、予めご了承ください。

ウィリアム・バークハイマー(芸術監督・指揮者)
最初に「ポーギー&ベス」を指揮したのはヒューストン・グランドオペラの制作によるもので、パリ、ロンドン、パレルモで公演。他にもフェニーチェ歌劇場、ローマ歌劇場などでも「ポーギー&ベス」を指揮している。2004年にはボローニャ歌劇場、カナダ・エドモントン歌劇場でも同オペラを指揮する。
インディアナ大学で音楽の修士号を取得した後ウィーン音楽大学に留学、ハンス・スワロフスキーに指揮法を学び卒業。またイタリア政府の給費留学生としてフランコ・フェラーラにも指揮法を学ぶ。シカゴ大学ロー・スクールで法律も学んでいる。
今回の「ポーギー&ベス」は、芸術監督・指揮者としてニューヨーク・ハーレムシアターで手掛けたプロダクションとしては「ショーボート」、「カルメン・ジョーンズ」、「ソフィスティケイティッド・レディース」、旧演出の「ポーギー&ベス」に続き、5作目。

アルヴィー・パウエル(ポーギー役)
合衆国陸軍合唱団でソリストを務めていたパウエルは、その歌声が音楽関係者の耳にとまり、ヒューストン・グランドオペラの「ポーギー&ベス」でポーギー役に大抜擢される。ポーギー役でアメリカ国内はもとより世界的に高く評価され、アメリカ主要都市、ミラノ・スカラ座、パリ・オペラ座など世界主要劇場で同役を歌い絶賛されてきた。この役で彼の右に出るものはいないといわれるほど当たり役として知られる。
イギリスのチャールズ皇太子臨席のもと行われたチャールストン交響楽団による公演にも出演し、「ポーギー&ベス」からの曲を歌った。
アメリカの公式行事で国歌斉唱することも多く、1989年、アメリカ元大統領ジョージ・ブッシュの就任式に招かれ歌を披露する栄誉を得たほか、最近ではレーガン元大統領の埋葬式で歌った。

テリー・クック(ポーギー役)
世界中のオペラハウスや交響楽団と共演。ポーギー役はメトロポリタン・オペラ、ミラノ・スカラ座、フェニーチェ歌劇場、パリ・オペラ座、ローマ歌劇場、レアル・マドリッド劇場などで歌っている。ヒューストン・グランドオペラとのツアーではアメリカ主要都市および東京で同役を歌った。
ポーギー役以外にもメトロポリタン・オペラで20以上のプロダクションに参加しており、最近では「西部の娘」、「イル・トロヴァトーレ」、「仮面舞踏会」、「トロイ人」がある。「仮面舞踏会」はテレビ中継された。その他にもメトロポリタン・オペラには「椿姫」、「ビリー・バッド」、「イドメネオ」、「シモン・ボッカネグラ」、「サムソンとデリラ」、「タンホイザー」、「ティートの慈悲」、「ジュリアス・シーザー」、「セミラーミデ」、「パルジファル」に出演している。

ケヴィン・ショート(ポーギー役)
バス・バリトン。世界中のオペラカンパニーとオーケストラ公演に出演。メトロポリタン・オペラ、ニューヨークシティ・オペラ、ヒューストン・グランドオペラをはじめとする北米各地の歌劇場に出演し、「後宮からの逃走」のオスミン、「アッティラ」、「カルメン」のエスカミーリョなどを演じる。
その他、シュツットガルト、フランス・エクサンプロヴァンス・オペラフェスティバルをはじめとするヨーロッパ各地、松本、北京、ハノイなどアジア各地にも出演。
メトロポリタンオペラ・ナショナルカウンシル・コンクール、ヴェルディ・ボイス国際コンクール、ローザ・ポンセール国際声楽コンクール、アメリカ・オペラ声楽コンクール、サリバン財団賞、ショーシャナ賞など、数々の受賞歴を持つ。
モーガン州立大学、カーティス音楽院、ジュリアード音楽院卒。

マルキータ・リスター(ベス役)
ワシントンDC生まれ。ベス役をミラノ・スカラ座、パリ・バスティーユ・オペラ、ヒューストン・グランド・オペラ、ニューヨーク・シティ・オペラ、東京、ブレゲンツ音楽祭など世界中の歌劇場で歌っている。ニューヨーク・シティ・オペラでの公演は全米で中継され、2002年の“ディーヴァ・アワード”を受賞した。
その他には「アイーダ」、「トスカ」、「サロメ」、「蝶々夫人」それぞれのタイトル・ロールなど数々のレパートリーを持ち全米各地で歌うほか、アレーナ・ディ・ヴェローナ、ドレスデン・ゼンパー・オペラ、ベルリン・ドイツ・オペラ、シュトゥットガルト歌劇場をはじめとするヨーロッパ各地でも歌っている。ライプツィヒ放送交響楽団やセント・マーティン・アカデミー管弦楽団のソリストとして共演。
録音にはシンシナティ・ポップスと共演した「ポーギー&ベス」抜粋版やガーシュイン:「ブルーマンディ」がある。

モレニーク・ファダヨミ(ベス役)
最初にベス役で成功したのはオーストリアのブレゲンツ音楽祭での野外ステージにて。ヨーロッパ全土からカイロに至るまでの歌劇場で主要な役柄を務めてきた。2002年7月エクサン・プロヴァンス音楽祭においてペーター・エトヴェシュのオペラ「バルコン」の世界初演にソリストとして招かれた。
数々のレパートリーを持ち、今シーズンには難役として知られるR.シュトラウス:「サロメ」、ヴェルディ:「マクベス」で成功を収めた。
優れたソプラノ歌手としてだけではなく、歌える女優としての才能も高く評価され、2003年3月ウィーン国立歌劇場で行われた現代オペラ、フランツ・コーゲルマンの「Fear Death By Water」の世界初演公演に出演。来シーズンは「アイーダ」と「カーチャ・カバノヴァ」それぞれのタイトル・ロールに初挑戦する。

ジェリス・ケイツ(クララ役)
ボルチモアのメリーランド生まれ。全米およびフランクフルト、ローマ、ヴェニス、ライプチィヒ、ウィーン、チューリッヒ他、でベスを演じている。そのほか、オーストラリア、ニュージーランド、イスラエル、シンガポール、上海、北京、台湾と世界各地で「ポーギー&ベス」の公演に出演。クララ役でも世界中で公演している。
その他のオペラ出演は、プッチーニ「修道女アンジェリカ」のタイトルロール、カヴェッリ「カリスト」のジュノー、ラベル「子供と魔法」のプリンセス、「トゥーランドット」のリュウ、「イドメネオ」のエレクトラ。
アメリカ合衆国、フランス、南米で数多くのリサイタルを開いている。また、最近までアメリカ合衆国でナショナル・スピリチュアルアンサンブルのソリストとして活躍した。

セドリック・キャノン(クラウン役)
ヒューストン・グランドオペラで「ポーギー&ベス」のジェイク、メトロポリタン・オペラではロビンス、ニューヨーク・シティオペラではクラウンを演じた。北米、ヨーロッパ、日本、オーストラリア、ニュージーランドではポーギーを演じ、ニューヨーク・ハーレムシアターではクラウンとポーギーの両方の役を演じた。
その他、数々のオペラ作品に出演するほか、ミュージカルではロバート・グレット主演「キャメロット」のサグラモア氏でブロードウェイデビューし、出演作品は多数。

ラリー・マーシャル(スポーティン・ライフ役)
ブロードウェイでヒューストン・グランドオペラにより上演された「ポーギー&ベス」でのスポーティン・ライフ役でトニー賞およびDrama Desk Awardsにノミネートされた。同じくジェームズ・レヴァイン指揮によるメトロポリタンオペラ、ミラノ・スカラ座、パリ・オペラ座、フェニーチェ歌劇場、ローマ歌劇場などで成功を収めた。RCA/BMG awardを受賞したCD盤「ポーギー&ベス」においてもスポーティン・ライフ役を歌った。
最近ではブロードウェイミュージカル「フル・モンティ」のタイトル・ロールを務めたほか、ニューヨーク・シェイクスピアフェスティバルで「スペル」で喝采を浴びた。

アンドレア・ベイカー(セレナ役)
アメリカに生まれ、ボストン音楽学校、ニューヨーク・ロチェスターのイーストマン音楽学校で声楽を学び、ブランシェ・テボムの個人レッスンを受ける。1994年メトロポリタン・オペラコンクールの国内最終選考に残った。アメリカでオペラ作品に出演した後、1997年には、ドイツ・アウグスブルグ歌劇場の「ニーベルングの指環」でドイツ楽壇デビュー、成功を果たし、数々の作品を演じて新聞紙上で高い評価を得た。

モニク・マクドナルド(セレナ役)
ニューヨーク・シティオペラ公演「ポーギー&ベス」のセレナ、「カルメン」のミカエラ、「ドン・ジョバンニ」のドンナ・アンナをはじめとする数々の役を演じ、ニューヨーク・ポップス2001クリスマスコンサートではバーバラ・ヘンドリックスの代役、カーネギーホールでは指揮者のスキッチ・ヘンダーソンと共演した。
1996年、ヒューストン・グランドオペラにてエレノア・マッコラムコンクールで第1位。1999年に、サリバン財団コンクール、ジョージ・ロンドンコンクールで優勝。第1回レオニー・リザネク賞を受賞。

マージョーリー・ワートン(マリア役)
フィラデルフィアのペンシルバニア・スクールシステムの下、セツルメント音楽学校に通う。傑出した技巧のためにフィルモント・オペラカンパニーから表彰される。

ジミ・レイ・マラリー(ジェイク役)
アメリカ合衆国、ヨーロッパ(特にドイツ)において、ドラマティックな演技、ソリストとしての歌唱力から高い評価を得る。特に「ポーギー&ベス」ではドイツ・オランダで絶賛を博した。
ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアでオペラ、ミュージカル・コメディ、役者としての演技で高い評価を得ている。
ジャック・オブライアン、ハル・プリンス、トレヴァー・ナン等のトニー賞受賞作品に出演。
ヤング・ミュージシャン財団、メトロポリタン・オペラオーディション、サンフランシスコ・オペラオーディションのそれぞれで受賞。



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