プティが1965年、パリ・オペラ座のために振り付けた作品。プティは独得のエスプリとセンスでユーゴーの原作世界を鮮やかに、劇的に描き出しました。世界一流のスタッフが結集して作り上げられたこの作品は、バレエ史に名を残す名作ですが、その規模ゆえに上演できるバレエ団は少なく、現在はパリ・オペラ座とミラノ・スカラ座のみが上演権を持っています。日本では牧阿佐美バレヱ団が1998年に日本初演を果たし、大きな反響を呼びました。
 今回はこの大作を、ルシア・ラカッラ、上野水香を始め、プティの信頼厚い若手実力派ダンサーたちによる、最強の布陣でお届けします。

◆STORY
舞台は15世紀のパリ。
ノートルダム寺院の副司教フロロは、美しいジプシー娘エスメラルダに密かに思いを寄せ、醜い鐘つき男のカジモドにさらってくるように命じる。
だが、この計画は警ら隊長フェビュスに妨げられて失敗。
エスメラルダとフェビュスは恋に落ち、カジモドは密かにエスメラルダに献身的な愛情を抱くようになる。

数日後。エスメラルダとフェビュスの逢い引きの現場を見て、フロロは嫉妬に狂い、ついにはフェビュスを刺し殺して逃げ去る。
エスメラルダは、無実の罪で殺人犯として捕らえられてしまう。
カジモドは死刑台に立つエスメラルダを救い出し、寺院の塔にかくまうが……。



世界最高のスタッフが結集してつくりだす、迫力ある中世パリの世界。
目に鮮やかな衣裳はイヴ・サン=ローラン。
迫力あるデザインで、そびえたつノートルダム寺院を再現したルネ・アリオの装置。
そして、ドラマを盛り上げる重厚かつ刺激的な音楽は、映画『アラビアのロレンス』の音楽で知られるモーリス・ジャールによるもの。
すべてが一体となってつくられる、中世パリの世界をご堪能ください。

激しい恋のドラマを演じる、魅力的なダンサーたち。
性格や心の動きを細やかに表現し、動きからせりふが聞こえてきそうなプティの振付。
物語と軸となる四人の登場人物を、今考えられる最高のダンサーたちが演じます。
主人公カジモドには、短編映画「ランデヴー」に、自身が振り付けたオペラ座の怪人役で主演し、絶賛されたパリ・オペラ座の新星ジェレミー・ベランガールと、2000年の公演でカジモドを演じ、その深みのある造形で高い評価を得た森田健太郎。
エスメラルダ役には、プティの若きミューズのひとり、ルシア・ラカッラと、プティの惜しみない評価を勝ち得ている上野水香。

上野は昨年、この役でミラノ・スカラ座に日本人として初めてゲスト出演し、絶賛されました。
登場人物の運命を操る司教フロロには、べランガールと並ぶオペラ座の新星・ペッシュと、00年の公演で“世界的にも最高のフロロ”と評された小嶋直也。
隊長フェビュスには、『デューク・エリントン・バレエ』でプティに最年少のソリストとして抜擢され、颯爽とした演技が光る菊地研と、01年のアジア・パシフィック国際バレエコンクール・ジュニアの部で第1位を獲得したモンゴル国立バレエのプリンシパル、アルタンフヤグ・ドゥガラーが挑みます。
サンローランの衣裳を身につけた庶民たちの猥雑なエネルギーを感じさせる群舞の迫力にも、ご注目ください。


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