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シアターコクーン芸術監督の蜷川幸雄が2005年の第2弾として演出するのは、魅力的な若者たちとの刺激的な舞台。注目の若手、成宮寛貴、勝地涼、高橋洋、須賀貴匡、長谷川博己に意気込みを語ってもらいました!
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「蜷川さんとの『お気に召すまま』が終わったばかりで、また話をもらえたことにすごくびっくりしています。蜷川さんと仕事をするときは、頭で考えたりしないで“果てしなく、どこまでも行ってやる!”という気持ち。稽古は今までの人生のなかで、一番頑張ったと思える程大変なものでしたけど、乗れなかった自転車に、ある時ふっと乗れたような感覚があったんです。そういう感覚が、また味わえたら最高だなって思います。せっかくキャスティングしてもらったんだから、果たすべき役割を果たします。僕、昔レストランの厨房でバスボーイ(コックとウェイターの間をつなぐ役割)のバイトをやってたことがあるんですよ。その時にみた調理場は一番上のシェフが絶対的な権力を持っていて口汚いし、すごく暴力的だった。僕が見た、あの光景を今回のお芝居で活かせるといいなと思っています」
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「初舞台が蜷川さんとの『シブヤから遠く離れて』でした。正直言って、蜷川さんには恐いイメージがあったので、稽古の初日は“ヤバイな〜”と、ずっと冷や汗をかいているような状態。でも、すごく温かい人で、細かく色んなことを教えて頂いてすごく勉強になりました。それ以降は毎日稽古に行くのが楽しみでした。稽古では蜷川さんに“毎日、芝居が違ってもいいんだよ”と言われて、それがすごく新鮮だった。同じ芝居をやるのではなく、毎回違うアイディアを出して、それに対して蜷川さんが判断していく。そうやって自由に色んな演技をやらせてもらえるのが楽しかったんです。前回は二宮(和也)君と二人だけのシーンばかりでしたけど、今回はもっと大勢の人が舞台に出ていて、全体をみながら芝居をしなくてはいけないと思っています。当たって…砕けてはいけないんですけど(笑)、それぐらいの気持ちで芝居をして、また色々学びたいです」
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「僕が蜷川スタジオ(現、カンパニー)に入った当初、この台本の一部をベニサン・ピットでやったチームがあったんです。それを見ていて、すごく面白かったし、こういうのをやりたいなと思ってた。でも、まさか蜷川さんがこの脚本をやるとは…。僕が今回演じるポールという役は、賑やかな調理場のなかでも、いつも一歩引いているような感じ。でも、途中であることをきっかけに長いセリフをしゃべるんです。それが以前はポールと同じ菓子職人だったという劇作家の思いや、地道に働いて生活している人の声を代弁しているようで、すごく印象的。あとね、コックさんになれるっていうのも実はすごく楽しみなんですよ。これまでコックさんとか警察官とか、お医者さんとかわかりやすい職業の役ってあまりなかったので。コックやウェイターの衣裳がずらっと並んでいるのを見て、コスチューム・プレイっぽくて(笑)ワクワクしてますね」
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「僕のなかでは“蜷川さんの芝居に出る”ということと“シアターコクーンの舞台に立つ”ということは大きな目標でした。だからこそ、お話をいただいたときはすごく迷いましたね。“まだ僕には早いんじゃないか”って。でも、せっかくいただいた話ですから飛び込もうと決めました。舞台を見て初めて泣いたのが、蜷川さんが演出した『唐版・滝の白糸』。あれを見て、一度は出たい!と。今は、あえて台本をあまり読まないようにしてます。読みすぎると余計なことまで考えすぎちゃうような感じがするし、稽古にはまっさらな状態で行きたい。蜷川さんの稽古は“厳しい”とか“怖い”とか噂には聞きますけど、自分が“変わりたい”
“変えて欲しい”という気持ちがありますから、変わるつもりで挑みたいと思ってます。きっとそこで何か得るものがあるはず。みんなの足を引っ張らないように頑張りたいですね」
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「この話をいただくまえから、脚本自体は知っていました。“傑作”と言われる作品と聞いたので、読んでたんです。作品自体すごく好きなんですよ。蜷川さんのお芝居は以前から見させていただいてますし“いずれは…”という思いはありました。ちょうど『オイディプス王』のあとに、ご挨拶だけはさせていただいていたので“いつかお仕事をご一緒出来ればいいなぁ”と思っていたらこんなに早く実現出来て驚きです。僕の役は新入りのコックなので、ちょうど蜷川さんの芝居も初めてだしマッチしてていいかな、なんて思ってます。これまでは年上の方と仕事をすることが多かったので、同年代の方と仕事ができるっていうのも嬉しいですね。若々しさが足りなかったらどうしよう(笑)。ほかのみなさんもキャリアがある方なので、それについていけるようにします。稽古が厳しいというのは“望むところ”ですね」
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