スタッフダイアリー

「ブルー&オレンジ」

現在、開催されている『ピカソとモディリアーニの時代展』を観たのですが、会場に入った瞬間、「おやっ」と思いました。
いきなりブルーとオレンジが目に飛び込んでくるインパクトのあるエントランス。いつもはそこに展覧会の趣旨や説明のボードがあって、そこから作品展示が始まるんですが、今回は展示されている画家の言葉が書かれたボードが飾られているんです。しかも、そこで使われている書体が面白い。新しいような、古いような。読みやすいような、読みにくいような。入口から長居してしまいました。

ザ・ミュージアムのスタッフである海老沢さんと高山さんにお聞きしたところ、今回の展示は、それ以外にもいろいろと工夫されているそうです。
例えば、入り口のブルーとオレンジが、いろんな作品の背景に使われています。モディリアーニのところにはブルー、ユトリロの後ろにはオレンジという具合。このブルーとオレンジがちょっとレトロな感じで面白いです。派手と言えば派手だし、落ち着いているといえば落ち着いている。これまた微妙な色使い。ずっと見ていると、モディリアーニの背景にはいっそのことパリのカフェの風景写真がどーんとあっても良かったかも、なんて思ってしまいました。純粋に絵をご覧になりたい方には怒られそうですが。
後、ユトリロの作品は展示場所の右側が空いていて、向こう側の素朴派の展示が見えるんです。これは、リール近代美術館の学芸員の方が、ユトリロを素朴派に分類したかったためらしいんですね。一応年代に合わせて展示されていますが、ちょっと視点をずらすと素朴派と一緒に見える。明らかに不自然な感じだったので何かあるのだろうとは思いましたが、そういうことだったんですね。納得。

今回の会場のいろいろな演出、私はとても楽しいと思いましたが、皆さんはいかがでしょうか。これから展覧会をご覧になる方は、ぜひそういった部分にも注目してみてください。