スタッフダイアリー

「浮かぶアポロ」

『ポンペイの輝き』展、観ました。入り口からいつものザ・ミュージアムとはちょっと違う荘厳な雰囲気(いや、普段が“軽い”というわけではないのですが...)やリアルに展示されている型取りされた遺体等、いろんな意味で圧倒されました。石像や壁画も間近で見られるので迫力満点です。ポンペイの「輝き」の部分と「悲劇」の部分の振幅の広さに心が揺れます。
社会が安定していて文化レベルが高いと言うと日本の江戸時代を思い浮かべますが、何か派手さはぜんぜん違うなあと。金の装飾品とか銀の食器とか、ものすごく豪華です。さすが、快楽の街。
やっぱり中でも目を引くのが壁画なんですが、これもすごく色が鮮明できれいなんですよね。2千年の時ってなかなか想像し難いんですが、残るものはちゃんと残るんですね。絵を描く媒体として“壁”って最も原始的だと思うんですが、そういう“アナログ的メディアの強さ”みたいなものも垣間見た気がしました。デジタルデータなんて絶対数千年も持たないですよね。多分。
ちなみにミニ情報としてスタッフの海老沢さんからお聞きしたのですが、ポンペイでも裕福な人たちは寝そべって食事をしたそうなんですね。で、展示されている壁画も、斜め下あたりから見上げるようにすると、例えば「竪琴弾きのアポロ」なんかはちょっと浮遊しているように見えるんだそうです。実際、ちょっとかがんで見てみましたがその通りでした。会期中にもう一回来ようと思っているんですが、その時はちょっと横になってみようかなあ。ってダメですよね?やっぱり。