スタッフダイアリー

猫とシュルレアリスム

「レオノール・フィニ展」のギャザリング終了しました。とにかく絵画、舞台衣装、映像と幅広い表現方法による作品群に圧倒されました。方法だけでなく、作品の雰囲気も華やかなものから沈んだ感じのものまで振れ幅が広い。晩年の作品には結構ダークでファンタジックなものが多いので、あらためて初期の作品と見比べたくなり、会場内を行ったり来たり。挙動不審者に思われてないかなあ(笑)。悪く言えば捉えどころがない、よく言えばものすごいエネルギー。いずれにしても見ごたえありました。カタログのサイズも小さくてグッド。
ギャザリングの内容は近日アップいたしますが、その中で気になったのはザ・ミュージアムの海老沢さんが説明して下さった“猫”の話。いや、“猫がつけた傷”の話。フィニは猫が大好きで、数十匹の猫に囲まれて暮らしていたそうなんですが、よく見ると作品の中に猫の引っかき傷がついているものがいくつかあるらしいんです。展覧会を見る前に言って下さいよー(笑)。そんな傷をそのままにしておくなんて、まさに猫好きのフィニらしいエピソードだと思いました。彼女の作品に猫と人間を同じ大きさで描いたものがあるんですが、ひょっとして猫になりたかったのか、それとも自分のことを猫の生まれ変わりだと思っていたのか、なんて。