


庭園。ロドリーゴがデスデーモナに近づきます。
デスデーモナは自分がオテッロの妻であると告げ、ロドリーゴに去るように促します。 しかし、ロドリーゴはで力のかぎりをつくしてデスデーモナに愛を告白し、オテッロに忠実であろうとするデスデーモナの心を揺さぶろうとします。
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デスデーモナへの疑念に苦しむオテッロに、ヤーゴが語りかけます。ヤーゴは、デスデーモナが不実な女であると巧みにオテッロに思いこませ、デスデーモナが書いた手紙を見せます。
オテッロは、手紙はロドリーゴ宛てに書かれたと信じこんで読み、そこに書かれていた愛の言葉に激怒。デスデーモナを殺して自分も死ぬと決意してしまいます。物語は、破滅的な方向に加速していきます。
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オテッロのところにロドリーゴがやって来ます。
2人は強い敵対心を燃やして向かい合います。
オテッロはロドリーゴとデスデーモナに復讐するのだと怒りをぶちまけ、2人は剣をとって決闘を始めます。
歌の醍醐味を追求したロッシーニのオペラは、超絶というほかないようなきらびやかな技巧を要とする歌唱を随所に配していますが、このシーンもそのひとつ。きわめて細かくて早い音程の変化。高音域から低音域までの幅広い音の跳躍。オテッロとロドリーゴの嫉妬や憎しみのぶりかりあいは、2人の歌い手の限界にいどむような激しい技のぶつかりあいをたっぷりもりこんで、濃厚に表現されます。

決闘を止めに入ったデスデーモナと、猛り狂うオテッロ、ロドリーゴはそれぞれにすれ違った思いを歌い、聞き所盛りだくさんの三重唱が展開します。
錯乱して失神したデスデーモナのもとに父エルミーロが登場。父の言いつけにそむきロドリーゴとの結婚を拒絶した娘を、エルミーロは厳しく責めます。孤独の中で深まるばかりの苦悩を抱え、デスデーモナは絶望の淵に追いやられて第2幕はフィナーレとなります。


デスデーモナの寝室。デスデーモナは侍女エミーリアに、苦しみを打ち明けています。
ふと遠くから聞こえるゴンドラ船頭の歌を耳にして、デスデーモナは愛に破れて死んでいった幼なじみイザウラのことを思い出します。イザウラと同じような運命が彼女に訪れようとしているように感じ、デスデーモナは「柳の歌」でイザウラの悲しい物語を歌います。暗い予感が忍び寄ります。

不吉な予感がうずまくなか、デスデーモナはエミーリアを引き下がらせてベッドに横になります。そこへ、剣を携えたオテッロが忍び込みます。
オテッロは眠っているデスデーモナを刺そうと試みますが、デスデーモナの姿を見ては幾度も逡巡します。突如、雷鳴がとどろき、デスデーモナは目を覚まします。オテッロはデスデーモナに疑いの言葉を投げつけるのに対し、デスデーモナは懸命に潔白を訴えるのですが、オテッロは聞く耳を持ちません。
絶望したデスデーモナは、お望みなら殺して、と告げます。
そして・・・
衝撃的な悲劇のフィナーレは、ぜひあなたの目と耳で、お確かめください!
映像・写真:2007年ロッシーニ・フェスティバル(ペーザロ)より