フィンランドデザインの
源泉と歴史を辿る
ストーリー
フィンランドの人々は建国前から大地の豊かさを生活に取り入れてきた長い歴史があります。その感性を受け継ぐデザイナーたちが形づくるフォルムには自然が宿り、暮らしを良くすることを第一に考えられたデザインは、多くの使い手たちの心を掴みました。今も広く愛され使い継がれるデザイン誕生と発展のストーリーを紐解き、フィンランドがデザイン大国となって今日に至るその背景を探ります。

フィンランド国立写真美術館蔵
50人以上のデザイナー、
アーティストが勢ぞろい
アルテックのチェアで名高いアルヴァ・アアルト、アラビアのロングセラー《ティーマ》を生んだカイ・フランク、ムーミンの作者トーベ・ヤンソンなど、世界的に知られるアーティストはじめ、デザイン大国フィンランドを築く担い手となった、数多くのアーティストたちが登場します。日本ではあまり知られていないアーティストたちの中から、新しいお気に入りがきっと見つかるはずです。

フィンランドを代表する5人の作家





カイ・フランク
アラビア製陶所で生み出した《キルタ》は、現在も《ティーマ》シリーズとして生産が続く不朽の名作。機能性と実用性に優れたシンプルなフォルムで、足りないものだけを買い足し長く使い続けることができる、それまでのテーブルウェアのしきたりを覆すデザインでした。誰もが取り入れられる良質なデザインを実現したフランクは、「フィンランドデザインの良心」と呼ばれています。

閉じる
トーベ・ヤンソン
言わずと知れたムーミンの生みの親。イラストレーター、画家、漫画家、作家といった多彩な顔を持ち、実生活の経験と愛する身近な人々からインスピレーションを得て数々の名作を世に送りだしました。友情、寛容さ、そして自由をテーマとしたムーミン物語は、幅広い世代からの絶大な人気を得て、今なお世界中で愛され続けています。

閉じる
マイヤ・イソラ
マリメッコ社のカラフルで大柄なプリントテキスタイルを数多く制作。当時の新しいアートシーンを反映しつつ、自然界からのイメージも豊かに引き出した色鮮やかなパターンが特徴的です。有名な《ウニッコ》は、当初花柄を一切禁止していたマリメッコ社に、その方針を覆させるほどのインパクトを与えたパターンでした。

閉じる
ルート・ブリュック
アラビア製陶所で長年、セラミックアート、特に陶板作品に取り組みました。初期には、鳥や蝶など身近なモティーフをもとに絵画的な陶板作品を制作しますが、後に、小さな陶片を組み合わせた抽象的で彫刻的な作風に移行します。釉薬を駆使したユニークで色彩感覚あふれる作品は人々を魅了し、大使館や銀行などの壁面にも取り入れられました。

閉じる
アルヴァ・アアルト
世界的な建築家であったアアルトは、建築とインテリアの一体感を重視し、手がけた建造物の内装、照明、家具も自らデザインしました。その作品は誰にとっても機能的かつ実用的。《「サヴォイ」花瓶》や《41 アームチェア パイミオ》など、自然のモティーフを取り入れたぬくもりあるフォルムが今もなお世界中で支持されています。

閉じる
本国でも集結困難!?
フィンランド津々浦々からやってきた多彩な作品群を一挙ご紹介
ヘルシンキ市立美術館(HAM)監修のもと、コレクション・カッコネン、タンペレ市立歴史博物館、フィンランド・デザイン・ミュージアム、ヘルシンキ市立博物館など、フィンランド各地で大切に受け継がれてきた貴重なコレクションから選りすぐり、フィンランドが近代化されゆく時代のデザインを多角的に紹介します。フィンランドのデザイン史を展望できる豪華なラインナップが一堂に会するこのチャンスをどうぞお見逃しなく!

1968年、ヌータヤルヴィガラス製作所、コレクション・カッコネン蔵、Photo/Rauno Träskelin
