2026.10.09 UP
文化が薫るまち歩き―大学の街・渋谷で「今」を巡るまち歩き

若者文化の発信地として知られる渋谷は、いくつもの大学が集まる「学びの街」でもあります。大学の博物館や資料館では、受け継がれてきた歴史や文化と、研究から生まれた新たな視点に触れることができます。さらに、現代アートや伝統の手仕事、ヴィンテージの品々にも目を向けながら、蓄積された知と新しい感性が交わる渋谷を巡ります。
ご紹介コース
國學院大學博物館
↓↓徒歩約5分↓↓
実践女子大学香雪記念資料館
↓↓徒歩約15分↓↓
レストラン「HUSH HUSH」
↓↓徒歩約5分↓↓
Bunkamura Gallery 8/
↓↓徒歩約8分↓↓
青山キリムハウス
↓↓徒歩約1分↓↓
ideot(イデオット)
↓↓徒歩約5分↓↓
青山学院ミュージアム
↓↓徒歩約7分↓↓
茶珈堂 Cha Café do

■ 國學院大學博物館
日本文化の源流に親しみ、最新の研究成果にふれる

伝統ある名門校が集まることでも知られる、渋谷駅から広尾駅にかけての閑静な住宅街。その一角にある國學院大學博物館は、考古、神道、校史の3つのゾーンにわかれた常設展示が特徴的なミュージアムです。
照明をおさえた静かな館内で古来の土器や神像と向かい合い、それらが活躍した時代に思いをはせるのは、とてもロマンチックで貴重な時間。一方で、年に4~5回テーマを変えて開催される企画展では、大学での最新の研究成果にふれることができます。数百年、数千年の時を経たものを見て、いまこの現在の最新の知にふれる、ダイナミックな歴史体験をぜひ楽しんでみませんか。
渋アート連携施設・國學院大學博物館について詳しくはこちら >
■ 実践女子大学香雪記念資料館
近世・近代の女性作家の美術作品に出会い、新たな魅力を発見

國學院大學博物館を出て、道なりに北へ向かってゆるやかな坂を登っていき、六本木通りに出たところの左側に実践女子大学香雪記念資料館があります。「香雪」は日本の女子教育の先駆者で実践女子学園を創立した下田歌子の歌人としての号です。
資料館に入って正面にある企画展示室では、年に4~5回開催する企画展で近世・近代の女性作家の美術作品を展示。そのとなりの下田歌子記念室では、歌子に関する展示を見ることができます。これまでフォーカスされる機会が少なかった近世・近代からの女性作家の美術作品にふれて新たな魅力を見いだす、そんな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
渋アート連携施設・実践女子大学香雪記念資料館について詳しくはこちら >

■ レストラン「HUSH HUSH」
時間を気にせずゆっくりくつろげる大人の隠れ家レストラン

渋谷にはカフェやレストランがたくさんあるはずなのに、まち歩きでひと息つきたいと思ったときにはどこも満席でカフェ難民、ランチ難民……なんて経験はありませんか。そんな時に頼りになる隠れ家レストランが、今回訪れる「HUSH HUSH」です。
渋谷の駅前、宮益坂下交差点を原宿側に歩きだすとすぐ左側にある渋谷東急REIホテル。その地下1階に降りて「HUSH HUSH」の店内に入ると、木の温かみをいかしたナチュラルでモダンな空間が広がります。ホテルのレストランだけれどもかしこまりすぎない、カジュアルな雰囲気でこれはゆっくりとくつろげる予感。2人席のほかに、落ち着いてすごせるソファ席や半個室もあるので、ふだんのお茶や食事はもちろん、女子会のような集まりでも候補に入れたくなるお店です。

グループ用のテーブルは他の席と間隔があって、周りを気にせずにすごせます。半個室の手前にはストーブがあり雰囲気も抜群。
朝食・ランチ・カフェの3つの営業時間のうち、いちばんにぎわうのはランチタイム。レギュラーメニューのステーキランチをはじめ、肉と魚から選べるマンスリーランチ、半月ごとに替わるライスディッシュとパスタディッシュなど幅広いラインナップは嬉しいポイントです。人気があるのはステーキランチだそうですが、昨年イタリア料理のシェフを新しく迎えたと伺ったので、ここはパスタランチをセレクトしてみました。
丁寧に手間をかけて作られるパスタは深みのあるやさしい味わいで、華やかな盛りつけも合わさってさすがのホテルクオリティー。3種の選べる自家製ドレッシングを添えた美しすぎるサラダメランジェなどのセットメニューも気分が上がります。

左)9月前半のパスタディッシュ「魚介としらす 木の子ポモドーロ スパゲッティ」。セットの自家製パン2種はレモングラスのオリーブソースにつけるとおいしさ倍増。
右)具材が豊富なサラダメランジェは紅芯大根のスライスで作られたバラの花に思わず目を奪われます。
今回はランチタイムに訪れましたが、実は朝7時から10時までの朝食ブッフェも大人気だそうです。朝、少し早めに家を出て「HUSH HUSH」で品ぞろえ豊かな朝食ブッフェをゆっくりといただき、最高の気分でまち歩きに出かける…なんてプチ贅沢なプランも心が躍りますね。
にぎやかさからすこし離れ、上質な料理を味わいながら、広々とした隠れ家空間でくつろぐ。そんな特別な渋谷時間をすごしてみませんか。
■ Bunkamura Gallery 8/
「もし家で飾るとしたら?」の想像が楽しすぎるギャラリー体験

渋谷ヒカリエ8階のイベントスペース「COURT」(コート)越しに見えるBunkamura Gallery 8/。
ゆったりとしたランチで満たされたら、午後のまち歩きをスタートしましょう。
ふたたび宮益坂下の交差点を渋谷駅側に戻って渋谷ヒカリエに入ります。ShinQsフロアのオシャレな雰囲気をエスカレーターから楽しみつつ8階のクリエイティブスペース 8/(はち)へ。アート、ワークスペース、地域文化などがまざりあって情報発信をしていくこのフロアにBunkamura Gallery 8/(はち)があります。Bunkamura開業時からあるギャラリーですが、Bunkamuraの長期休館に伴い現在はこちらのフロアに引っ越してきて営業しています。
全面ガラス張りのスタイリッシュなギャラリーは、外側からでも展示作品がよく見え、入口も3か所あってとてもオープンな雰囲気。内部の白い壁はギャラリーとしてはめずらしい可動壁で、展示する作品に合わせて毎回完全にレイアウトが変更されます。

大きな作品の前はスペースをあけたり、プライベートな感じで作品と対峙できるように小部屋のようなスペースを作ったりというように、ギャラリーの空間が作品の魅力を存分に引き出してくれるように構成されています。
ギャラリーが美術館といちばん違うのは、「家に置くならどれにしようかな?」という視点で作品を鑑賞できることだそうです。この作品なら玄関、この色合いなら寝室、というようにあれこれ想像しながら作品を観るととっても面白いですよ、とスタッフの方がとっておきの秘密のように鑑賞方法を共有してくれました。プロのキュレーターの方でも「一番好きな作品」と「家に置くならどれ」では選ぶ作品が変わるのは“あるある”。視点が変わることで素敵だなと思う作品も変わるというのは、とても興味深い現象です。
ほかにも、ギャラリーで扱うのは基本的に現代で活躍するアーティストの作品なので、年ごとに変化が見られたり、新作に出会えたりすることも大きな特徴のひとつ。時には、なんとアーティスト自らが作品を解説してくれるギャラリーツアーも開催されています。

大きなガラス窓から中の様子がよく見える明るい空間はとても開放的。同じフロアにはアート好きやカルチャー好きに刺さりそうなお店が並んでいて、ちょっと覗きに行くだけでも十分楽しめます。
どうしてもギャラリーというと作品の購入が前提なのかと気になりますが、スタッフの方によれば「非日常の空間に身を置き、いつもとは少し異なる時間をふらっと楽しんでいただく。それ自体に意味があると思っています。作品を購入することだけが、ギャラリーを訪れる目的ではありません。ギャラリーは、作品との偶然の出会いや、新たな感覚に触れるきっかけをひらく場所でもある。美術やアートを、もっと身近に感じていただけたらと思います」とのこと。
自分の大好きな作品、アーティストを探して、すこしだけ勇気を出してギャラリーに通ってみる、そんな新しいアート体験にデビューしてみませんか。

■ 青山キリムハウス
世界のクラシックな絨毯やオールドキリムの物語を探して

きれいに積み重ねられた絨毯やキリムは常時2500点以上の在庫があり、豊富なラインナップの中からお気に入りの1枚を見て選ぶことができる。小さめの玄関マットのようなものから床いっぱいに広がるものまでサイズもさまざま。
宮益坂を登りきり、青山通りを表参道側へ歩くと青山学院大のほど近くに青山キリムハウスがあります。ショーウィンドウから見える美しい絨毯に誘われてショップ内に入ると、深みのある天然の色合いが美しいペルシャ、トルコ、コーカサスなどの絨毯やキリムが整然と積み上げられていて、一気に外国の地に足をふみ入れたような気分に。
こちらのショップの絨毯やキリムは、伝統の製法で作られたアンティークを美しく補修したもの、または伝統の製法を忠実に再現してトルコの自社工房で織られたもののみ。中には数百年前に織り上げられた貴重な絨毯を補修したものもあります。
絨毯やキリムは中央アジアの国々に広くまたがるエリアで作られるため、文様や素材の一つ一つに時代や土地の物語があります。スタッフの方はとても丁寧に詳しく商品のバックグラウンドを案内してくれるので、そこも含めてお気に入りの1枚を選べば家に迎え入れる喜びもひとしお。まち歩きの際に、ぜひ、遊牧民の文化が生み出した美しい実用のアートに触れ合ってみませんか。

天然染料と伝統の手法で染められた色は、年月とともに美しく変化し、深みのある風合いを楽しめるのが特徴です。定期的に専門店で適切なメンテナンスを行うことで、より長く使い続けることができます。スタッフの方が丁寧な日本語で絨毯やキリムについて案内をしてくれるので安心。
■ ideot(イデオット)
静かに整った空間で、ヴィンテージと現代が融合する美に出会う

ideotの外観。大きく開くガラスのドアもスタイリッシュなデザインで、特別な空間への期待が高まる。
青山学院大の近隣でぜひもう1軒訪れたいのが、インテリアショップのideotです。にぎやかな人通りのあるエリアにありますが、ひとたびショップに入れば静寂と、気持ちを穏やかに整えてくれるようなお香の匂いに包まれて、すっと別世界に来たような気分に。
ショップ内には、オーナーの井手さんが海外から買いつけたヴィンテージのランプ類をメインに、控えめながらも上質な存在感を放つインテリアが並びます。
たとえば、フランスで買いつけた陶器製のランプベースにシリンダー型のシェードを組み合わせたランプ。こちらは長い年月の中でもともとのシェードを失ってベースだけの姿となっていましたが、その美しさを見出されて井手さんの手元へ。さまざまな模索の末に、やわらかい光を生みだすオリジナルのフロストガラスシェードと組み合わせることで新たないのちを得て、現代の暮らしにも自然に溶け込む1台に仕上がっています。

左)アイテムは欧米を中心に世界各国から広く買いつけ。左の温かみある光を放つランプは、イタリアのヴィンテージで1970年代のもの。
右)静かなたたずまいがなんとも美しいヴィンテージ セラミック テーブルランプ。スリムなシリンダー型のシェードは、1台でも複数台でも自由に配置できるように考え抜かれてのデザイン。いずれも世界でここでしか手に入らない1点もの。
ランプ類は配線、ソケットなどがすべて日本の規格にそったものに取り替えられているため、購入後はすぐに安心して暮らしに加えられることも、ideotならでは。
時代を超えて受け継がれてきた美しさに、新たな息吹きが加わって、またこれからの年月を重ねていく。そんな美のあり方に、そっと触れてみてはいかがでしょうか。
■ 青山学院ミュージアム
由緒ある建物の中に広がる光のミュージアム空間で歴史探訪

日本のネオ・ルネサンス様式の名建築として知られる青山学院間島記念館。正面にはコリント式の円柱が連なり、さながら古代ローマ神殿のよう。
にぎやかな青山通りに面しながら、緑の木々が生い茂って落ち着いた雰囲気がただよう青山学院。その正門をくぐってキャンパスの中央ロータリーまで歩くと、1929年に図書館として建設された国の登録有形文化財「青山学院間島記念館」が見えます。
1978年に開設した青山学院資料センターを創立150周年記念事業の一環としてリニューアルし、建物の構造的な制約の中でいくつかの空間ごとに展示テーマを設定し、学院の歴史とキリスト教教育の精神を学ぶ場「青山学院ミュージアム」として2025年5月に開館しました。

写真左)青山学院の発展に貢献した人々を紹介する「サーバント・リーダー ルーム」は、この建物が当初は図書館だったことから書斎風にデザイン。創設者、歴代の宣教師、功労者による自筆の手紙や書類が展示されています。
写真右)厚木キャンパス時代のチャペルから移設したステンドグラスを展示。聖書に登場するシンボル「鷲」と「魚」をモチーフにしたもので、見ているだけで心が澄み渡ります。
(写真はともに、画像提供:丹青社、撮影:株式会社レベル9)
その重厚な外観とは対照的に、展示室は「サイレントライト ―静かな光―」というコンセプトどおり穏やかな光に包まれ、訪れる人を優しく迎えてくれます。150本のキャンドルの灯をイメージした光とともに学院の150年の歴史を紹介したり、学院の歴史を築いた先人たちの言葉を光のメッセージとして闇の中に浮かび上がらせたりするなど、実物資料の展示とデジタルの演出がバランスよく融合しているのが印象的。江戸時代の発掘品や戦時下の出陣学徒休学願など歴史的に貴重な史料も多く、学院の歩みだけでなくその背景にある広い歴史にも思いを馳せることができます。渋谷有数の文教地区がどのように発展してきたか、ぜひ歴史探訪してみてはいかがでしょうか。
■ 茶珈堂 Cha Café do

青山学院キャンパス隣のアイビーホール青学会館を改装して誕生した隠れ家カフェ。「古いものを大切にしたい」という思いから、改装前の会館内にあったチャペルのステンドグラスや照明・家具を再利用し、昔ながらの喫茶店を現代的にアップデートしたような歴史と伝統を感じさせる上質な空間になっています。
「人と地球にやさしい場所」をテーマに提供しているドリンクや食事も人気で、極厚とろとろなフレンチトーストやリッチな味わいのカスタードプリンは絶品。スイーツに合う香り豊かなオリジナルの紅茶やハーブティーを味わいながら、穏やかなひと時を過ごしてください。

■■スポット情報■■
*それぞれ外部サイトに遷移します*
レストラン「HUSH HUSH」〈渋谷駅から徒歩約2分〉
東京都渋谷区渋谷1-24-10 渋谷東急REIホテル地下1階
TEL:03-3498-0173
[営業時間] 7:00~10:00(L.O.09:30)/11:30~14:30(L.O.14:00)/14:30~16:00(L.O.15:30)
[定休日] なし
https://www.tokyuhotels.co.jp/shibuya-r/restaurant/index.html
Bunkamura Gallery 8/〈渋谷駅直結〉
東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8階
TEL:03-3477-9174
[営業時間] 11:00~20:00
[休館日] 渋谷ヒカリエの休館日に準じる
https://www.bunkamura.co.jp/gallery8/
青山キリムハウス〈表参道駅より徒歩約7分〉
東京都渋谷区渋谷2-8-3-1F
TEL:03-5467-2622
[営業時間] 11:00〜20:00
[定休日] なし(年中無休)
https://www.kilimhouse.com/our_shop
ideot〈表参道駅より徒歩約7分〉
東京都渋谷区渋谷2-8-11-102
TEL:03-6450-5527
[営業時間] 12:00〜19:00
[定休日] 月・火・水
https://ideot.net/
青山学院ミュージアム〈表参道駅から徒歩約7分〉
東京都渋谷区渋谷4-4-25
TEL:03-3409-6742
[開館時間] 月曜~金曜:9:30~16:30/土曜:9:30~12:30(第3土曜は16:30まで)
[休館日] 日曜・祝日(その他青山学院が定める休日等)
https://www.aoyamagakuin.jp/ag-museum
茶珈堂 Cha Café do〈青山学院ミュージアムから徒歩6分〉
東京都渋谷区渋谷4-4-25 アイビーホール1階
[営業時間] 月曜~金曜:9:00~17:00(L.O.16:20)/土曜:9:00〜18:00(L.O.17:20)/日曜・祝日 11:00~18:00(L.O.17:20)
[定休日] 夏期および年末年始
https://www.filia-aoyama.com/chacafedo.html
*2026年10月現在の情報です。
*営業時間・定休日が急遽変更になる可能性もあります。各HP等でご確認の上、お出かけください。



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