山田和樹 マーラー・ツィクルス

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2016.03.03 UP

【第6回の聴きどころ】

今回演奏される交響曲第6番はマーラー全9曲のシンフォニーの中でも異彩を放っている作品といえるでしょう。
まず「悲劇的」というタイトルが付いていますが、フィナーレが短調で締めくくられるのはこの曲のみです。また中間の第2・3楽章の演奏順についてはマーラー自身、最後まで悩んでいたと言われ、現在でも指揮者によって異なる順序で演奏されています。今回の山田和樹は第2楽章スケルツォ、第3楽章アンダンテ・モデラート、の順で演奏する予定です。

そしてハンマーという、クラシック・オーケストラの中にあっては相当異色なものが登場します。打楽器奏者の大きなアクションとともに振り落される巨大なハンマーは音響的にはもちろん、視覚的にも強烈なインパクトを聴衆に与えます。ハンマーの打撃回数もマーラーが当初構想した5回から3回→2回と変化しています。現在では2回が定着しているようにもみられますが、マーラー復興の立役者レナード・バーンスタインの最後のレコーディングでは3回叩かせており、こちらも指揮者によって解釈が分かれるところです。さて今回山田は何回ハンマーを叩かせるでしょうか。ぜひご注目ください!
(写真は今回の演奏で使用されているものとは異なります。)
提供:日本フィルハーモニー交響楽団