バランシン、キリアン、ノイマイヤー、エック、フォーサイスといった巨匠の作品のみならず、マウロ・ビゴンゼッティや、振付活動において数々の賞に輝くダンサー、イリ・ブベニチェクなど、若く有能な振付家の作品が一日で堪能できるのも、本公演の醍醐味。また、すでに日本で何回も上演されている名作であっても、ルシア・ラカッラの『アゴン』(Bプロ)や『椿姫』(Aプロ)など、今回日本で初めて実現した配役の作品も数多く上演される。 |
また、今のりにのった「旬のダンサー」たちが目白押し。
ちなみに7月のオペラ座公演(ガルニエ宮、オペラ・バスティーユ)においては、今回出演するオペラ座ダンサーたちが全員、それぞれ主役を務めていたということからも、本公演の「旬」度をうかがうことができる。
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3月、ノイマイヤーの『シルヴィア』がオペラ座で上演された際、その美しさ、高い演技力が、どよめくほどの大絶賛を博した、エルヴェ・モロー。端正な顔立ち、すらりと伸びた長い脚に恵まれた彼は、多くのファンがエトワール昇進を心待ちにしている、オペラ座屈指の若手ダンスール・ノーブルである。
今回はその当たり役である『シルヴィア』(ガラ、Aプロ)を、ノイマイヤーの信頼厚いハンブルク・バレエ随一のプリマ、シルヴィア・アッツォーニとともに、ついに日本で披露してくれる。今から喝采が目に見えるようである。
強靭なテクニックを誇るレティシア・プジョルと共に踊る『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』(ガラ、Bプロ)の、華やかな美しさにも酔いしれたい。
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9頭身ともいわれる均整のとれたプロポーションと驚異的なテクニックでは追随を許さない、奇跡のプリマ ルシア・ラカッラ。
20世紀最高の振付家ジョージ・バランシンの最高傑作のひとつ『アゴン』(Bプロ)に、オペラ座きっての実力派バンジャマン・ペッシュと臨む。この上ない柔軟性と技巧の数々を遺憾なく発揮することだろう。そして、前述のモローと組む古典バレエの最高峰『白鳥の湖』(Aプロ)では、この上なく美しいパ・ド・ドゥが期待される。
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そして、来年にはベジャールの『ボレロ』を踊ることも決まり、ますます絶好調のエトワール、マリ=アニエス・ジロ。本公演では、フォーサイスの「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」(ガラ、Aプロ)で、その長い手足から繰り出されるパワフルな演技が、あますところなく発揮される。そして、コンテンポラリー作品でエトワールに任命された彼女ならではの魅力が、日本初演となるキリアンの「ホエアアバウツ・アンノウン」(ガラ、Bプロ)で披露されることだろう。 |