アイーダ・ゴメス インタビュー

©NAKAMURA Yutaka
スペインでの世界初演を3月9日に控えたアイーダ・ゴメスの新作「カルメン」と、04年の来日公演で日本でも絶賛された「サロメ」が、いよいよ4月、日本にやってくる。
そのアイーダ・ゴメスに、カルメンとサロメという激しい2人の女性について、そして、それぞれの作品の魅力や見どころについて話を聞いた。

―― 今回の日本公演ではカルメンとサロメという、どちらも情熱的な女性を踊りますが、2人の女性の違いについて教えてください。
カルメンは計算高くて冷淡で、自分が何をやっているか判っている女性。ドン・ホセを愛してしまう時だけは自身をコントロールできないのですが、それ以外は常に自分に得になるよう動きます。サロメは冷淡ではありません。自分の気持ちのまま、衝動的に動いているだけです。」
――「サロメ」は代表作の一つですが、初演時から比較すると作品に対する印象はいかがですか?
「時間を経て、何度も演じることによって、よりサロメに対する理解が深まりました。彼女は私の友達であり、また私自身の一部でもあります。サロメはたいへん激しい女性ですが、私の中にもサロメのような面があります。これからも「サロメ」は進化していくと思います。より円熟味がでてくるんじゃないかしら」
――「サロメ」の“7つのベールの踊り”が人気ですが、この踊りの魅力は?
「“7つのベールの踊り”は官能的で、女性らしい曲。この曲の難しいところはいかに節度を保つかというところです。踊るときはいつも、“誘惑”の最後のところは残しておくようにしています。観客は皆、この後何が起きるか知っています。だからこそ、節度を保ちたいと気をつけています。」
――新作「カルメン」の見どころを教えてください。
「すべてです。煙草工場、闘牛場などいくつかの場面があり、カルメンはその場面毎に違う人生を行きている様々な顔を持った女性です。私自身もカルメンを踊る上で、その点を楽しみたいと思っています。」

interview 志風恭子(在スペイン スペイン舞踊ジャーナリスト)

「カルメン」 ©NAKAMURA Yutaka
「サロメ」
「サロメ」 ©山本一博


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