今回の来日公演の舞台を彩るのは、マシュー・ボーンがこれぞと見込んで選び抜いた、今後世界のダンス界で注目されてゆくこと間違いなしの若きダンサーばかり。彼らがそれぞれの役柄、そして作品にもたらす、新たな息吹にも期待が集まっている。マシュー自身の言葉もまじえ、それぞれの輝かしいキャリア、そしてあふれるばかりの魅力をご紹介しよう。

「白鳥の湖」に登場する新しいスターを紹介できて、わくわくしてるよ!カンパニーに“ザ・スワン/ザ・ストレンジャー”役、そして“王子”役を踊るメンバーを新たに迎えるたび、そのダンサーについて、そして作品自体についても、何かしら新しい発見と刺激があるものだからね。新しいダンサーたちが作品に与えてくれるフレッシュな解釈とエネルギーは、僕の「白鳥の湖」が誕生して十年を迎える今だからこそ、より大切になってきているんだと思うんだ。
――マシュー・ボーン


「エキゾティックでたくましく、官能的。ジェイソンのパフォーマンスに、日本のみんなも大いに魅せられることだろう」(マシュー)
ジェイソン・パイパー (ザ・スワン/ザ・ストレンジャー)
Jason Piper
ロンドン・コンテンポラリー・ダンス・スクールにて学ぶ。1997年卒業後、リチャード・アルストン・ダンス・カンパニー、ジャズ・エクスチェンジ等のダンスカンパニーに参加、また、ジュード・ロウ主演「Alfie」やジョニー・デップ主演「Neverland」等、映画にも出演している。
振付活動も積極的に行っており、2004年には「Demonizing Delilah」、「Anger Management」などを発表。
また、その恵まれた容姿を生かし、アディダス、ボディショップ、Pumaなど、数多くの企業のモデルも務めている。
「ジェイソンは今、イギリスでもっともひっぱりだこのコンテンポラリー・ダンサーの一人。これまでの活躍ですでに、ポップ・アイドルか映画スターのような熱狂的なファンがついているんだ」(マシュー)


「188センチの長身に、映画スターばりのルックス。力強く堂々と“ザ・スワン”を踊り、“ザ・ストレンジャー”としては誇らしげで、魅惑的。ホセの演技に、日本の観客も息を飲むことと思うよ」(マシュー)
ホセ・ティラード (ザ・スワン/ザ・ストレンジャー)
Jose Tirado
スペイン、マドリッド生まれ。サンフランシスコ・バレエ・スクールで学んだ後、Bavarian State Balletに参加し、「バヤデール」「シンデレラ」、勅使川原三郎「春の祭典」などのレパートリーを踊った。
2000年、英国ロイヤルバレエに参加、マクミラン、アシュトン、エックなど、幅広い振付家のレパートリーで活躍した。2003年退団後は、ダンス・エクスチェンジ、Jasmin Vardimon Dance Company等のダンスカンパニーに参加している。
また、この2月には、勅使川原三郎のカンパニー KARASの新作「風花 KAZAHANA-snow from the blue sky」(新国立劇場)に出演。
現在大ヒット公開中のジョエル・シュマッカー監督の映画「オペラ座の怪人」では、プリンシパル・ダンサー役で出演している。
©Ravi Deepres
「内省的で、カリスマ的な魅力のあるホセ。英国ロイヤル・バレエ団での輝かしいパフォーマンスは、ご存知の通りだ。映画『オペラ座の怪人』での活躍で、今日もっともホットな男性ダンサーとしての地位を確かなものにするだろう」(マシュー)


「若々しく、才能にあふれ、情熱的。大人へと成長することを許されない一人の青年として“王子”を描き出すクリストファーの演技力は、日本の観客の心を必ずや打つはずだ」(マシュー)
クリストファー・マーニー (王子)
Christopher Marney
セントラル・スクール・オブ・バレエ卒業後、マシュー・ボーン率いるAMPに参加。2000年「白鳥の湖」ヨーロッパツアーでは王子役を踊った。
また「ザ・カー・マン」では、ロンドン公演およびツアーに参加した。
2001年、ジョージ・パイパー・ダンサーズが活動開始すると共に参加、マイケル・ナン、ウィリアム・トレヴィットのディレクションのもとさまざまな作品を踊った。2002〜04年、スウェーデンのGothenburg Balletと契約し、キリアン「小さな死」「Sechs Tanze」やナチョ・デュアト「デュエンテ」などでソロを務めた。また金森譲「side in/side out」やOrjan Anderssonの「牧神の午後」「結婚」などを踊った。
「ニュー・アドベンチャーのファンにはおなじみのダンサー。若くして優れた業績を積み重ねてきているから、ときどきクリストファーの本当の年齢を忘れそうになるくらいだ!」(マシュー)


「現実世界では不幸を背負い、苦悩にさいなまれているけれども、夢の中では心を開き、自由にはばたいてゆく。ニールの“王子”のパフォーマンスは、観客を大いに楽しませ、トリコにすることだろう」(マシュー)
ニール・ウエストモーランド (王子)
Neil Westmoreland 
イングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクールに奨学金を得て入学。卒業後、デュッセルドルフのライン・ドイツ歌劇場オペラでハインツ・シュペルリに学ぶ。主な舞台:イングリッシュ・ナショナル・バレエ「ロミオとジュリエット」、バランシン振付「フー・ケアーズ?」など。1999年ノーザン・バレエ・シアター入団、ソリストとして「ロミオとジュリエット」ロミオ役、「ジキルとハイド」ハイド役、「ドラキュラ」クインシー役、「欲望という名の電車」ミッチ役、「カルメン」エスカミーリョ役など。2003年にフリーとなり、マシュー・ボーン「くるみ割人形」などで活躍。
「イギリスが誇るドラマティックなプリンシパル・ダンサーの一人であるニールは、これまで見せてきた数々の舞台で熱狂的な支持を得ている。『くるみ割り人形』の“王子”としてのチャーミングでロマンティックな演技で、日本のみなさんにもおなじみだ」(マシュー)


「義務感と幸せの狭間で心を引き裂かれ、悲劇的に苦しむヤスの“王子”の演技は、シェイクスピアのハムレットを思わせる」(マシュー)
©KIYONORI HASEGAWA
 
首藤康之 (王子)
Yasuyuki Shuto
首藤康之 公式HP
http://www.sayatei.com/
  大分県出身。9歳よりバレエを始め、15歳でチャイコフスキー記念東京バレエ団に入団。19歳で「眠れる森の美女」の主役を踊る。`93年モーリス・ベジャール振付「M」で聖セバスチャン役、「ボレロ」「春の祭典」で初主演し高評を得る。以降もイリ・キリアン、ジョン・ノイマイヤーなど世界に名だたる振付家の数多くの舞台に出演。2000年にはジョン・デリンジャー演出「ニジンスキー」で若きニジンスキー役、02年にはマシュー・ボーン演出振付の「白鳥の湖」リヨン公演にスワン/ストレンジャー役で出演。03年のJAPANツアーにも同役で出演。04年4月「ボレロ」「ザ・カブキ」を最後に東京バレエ団を退団、特別団員に。
 浅野忠信監督の映画「トーリ」、05年2月にはジョー・カラルコ演出「SHAKESPEARE'S R&J」でストレートプレイに挑戦と、新たなる活躍の場を広げている。
「白鳥の湖」10年の歴史の中で、“ザ・スワン”と“王子”両方の役を演じるダンサーは、初めてである。
「ヤスについては説明はいらないだろう。“ザ・スワン”の情熱的で生き生きとした演技で観客を感動させた彼が、今回は“王子”に挑戦してくれる。前回の『白鳥』のリハーサルのとき、ヤスは非常に物静かで熱心な勉強家だなと思ったんだけど、役柄を踊ることを通じて、彼自身の心の中の声を表現しているように、僕には感じられたんだ」(マシュー)
text by 藤本真由

※首藤康之は2/22-28と3/8-10は出演いたしません。
※やむを得ない事情により、出演者が変更となる場合がございます。予めご了承ください。
※予定される主要キャストは上記の通りです。(2004年9月24日現在)
※公演ごとの配役は当日発表とさせて頂きます。


ページの先頭に戻る
Copyright (C) TOKYU BUNKAMURA, Inc. All Rights Reserved.