今年も「ブラスト!」軍団は、インディアナ大学のホームタウンであるインディアナ州ブルーミントン郊外の練習場で、太陽がじりじりと照りつける中、日本公演に向けて熱の入ったリハーサルを繰り広げていた。昨年も練習風景の取材でお邪魔しているとはいえ、文字通り「ブラスト!」に明けては暮れるようなそのストイックな練習ぶりには、改めて圧倒されるものがあった。

6月19日から7月16日まで続くリハーサル期間中、オフ日はわずか三日間というすさまじさ。石川直をはじめ、日本中をワークショップで回っていたグループなど、帰国後休みもなく途中合流するというハード・スケジュールだ。練習は朝9時から夜10時まで続き、金管楽器、打楽器、ヴィジュアル・アンサンブルの三パートに分かれて、あらかじめ定められた曲目・場面のリハーサルを行なう。そして、一日の終わりには、全員で集まってそれぞれ成果を発表し、その日の到達目標を達成できたかどうか確認しあうという進行になっている。これだけ練習してもまだ足りないということなのか、深夜、宿泊先のホテルに帰ってからも練習を続けていたとか、オフの日にもやっぱり練習場に来て練習していたなどという話もちらほら。みんな、本当に音楽が好きなのだ。

過去二回の公演ですでに日本のファンにもおなじみとなった顔もいれば、今回初めて日本を訪れるメンバーもいて、顔を合わせると、「日本に行くのが本当に楽しみ!」なんて声をかけてきてくれたりする。廊下には、ツアー順路が書き込まれた日本地図、公演ポスター、観光パンフレット、それに、誰が用意したのか、「覚えておきたい日本語のフレーズ」なんてものまでが貼られていて、日本全国を回っての公演に向けたメンバーの意気込みが伝わってくる。これほどまでにリハーサルに熱が入るのも、一昨年、昨年と自分たちをあたたかく迎えてくれた日本の観客の期待に、今年もベストのパフォーマンスで応えたいという彼らの想いゆえなのだろう。

個人個人も高度な技をもっているのはもちろんのこと、チームワークもバッチリというメンバーが勢揃いした今年の来日公演。よりパワーアップしたステージに、乞うご期待!
text by 藤本真由(フリーライター)
photos by 小林洋




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