フランスでも指折りの貴族の家柄に
生まれながら、彼が愛情を込めて描く対象は娼婦、またはキャバレーのダンサーであったり、いわゆる社会の底辺に生きる人々の姿です。 足が不自由であるという肉体的ハンディが、恵まれない人々への共感ともなったのでしょうが、日本の浮世絵にも大きな影響を受けて、フランスの伝統的な肖像画とは異なる独自の世界を構築しました。社会階層を越えた享楽的な都市と時代…ベル・エポックを代表するパリでしか生まれ得ない天才画家と言えるでしょう。 「ロートレック・コネクション」で今も息づくパリのエスプリを堪能してください。 |
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トゥールーズ=ロートレックは、パリのひとつの区のライフスタイルのシンボルとして絵画世界の境界線を越えた。 その場所はモンマルトル。 現在のモンマルトルとはかけ離れ19世紀中頃から世紀末までこの小さな田舎的エリアにパリ文化のなかで発酵し、くすぶっていたアーティスト達が集まり、すべてのタブーを捨て去った。中でもロートレックははるかに自由で斬新な表現でポスターや雑誌の表紙を飾った。 この展覧会はロートレックとその仲間たちの作品によって、かつてのエスプリを感じさせてくれる。 作品を観ながら、彼らがどのようにそれまでのタブーを打ち壊したか情熱を感じとりたい。 |