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速報!稽古場レポート
稽古場の模様を動画でレポート
『メディア』の稽古場を訪れたのは本番近づく4月末。普段から様々なギャラリーが稽古場に訪れることで有名な蜷川組だが、この日はとりわけギャラリーが多かった。その理由はふたつ。ひとつは2日前に楽日を迎えた『KITCHEN キッチン』出演者たちの一部が顔を出したから。そしてもうひとつは、今回の演出の目玉である“水”を使った演出。そのために本番通りに舞台に水を入れて稽古をする特別な日であったため、マスコミ陣が多く訪れたのだ。稽古場は2階。この日のために朝7時から給水作業が行なわれたという。その水にライトがあたり蒸発するせいで、稽古場は熱気と湿気で梅雨のよう。スタッフは長靴をはいて舞台に入り、水に浮いたゴミを網ですくい俳優のためにコンディションをととのえる。大騒ぎの稽古場の片隅には、背筋をぴんと伸ばし集中力を高めメディアの世界に入り込んでいる大竹しのぶがいた。

最初に行なわれたのは子役が、蓮の葉にのって登場する場面。子供たちは水に浮かぶ蓮にのって大はしゃぎだったが、蜷川は子供たちにきちんと段取りを覚えるように冷静に指示を出す。その確認が終わったあと、いよいよ本格的な稽古の開始。「とりあえずノンストップな!」という蜷川の声で稽古が始まった。“ノンストップ”の言葉通り、冒頭から大掛かりなセットが必要となる最終シーンの手前まで、途中、コロスたちの位置取りで蜷川が小声で指示を与えるような場面はあったものの一度も芝居がとまることはなかった。
上演時間は2時間にも満たないのだが、やはり水のなかで動くことは俳優たちに相当な負荷がかかる。衣裳は水を含み重くなり、歩くだけで体力を消耗する。特に舞台上に居続けるコロスたちは稽古が終わったあとはぐったり。蜷川が「大丈夫か? オーバー40(40代以上の俳優たちを指して)は?」と冗談まじりに心配するほど。蜷川組に久々に参加する生瀬勝久は稽古が終わったあとに「みんな体力あるな…」とつぶやいていた。稽古終了後、俳優たちの熱演でますます温度があがった稽古場の窓には結露がびっしり。舞台に水が揺れているのを見て、本番でここに照明が入り、セット、衣裳がきちんとそろったらどうなるのだろう?と想像してワクワクした。
text by 山下由美(フリーライター)

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