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映像に舞台にと大忙しの生瀬勝久。3度目の蜷川幸雄演出作品への参加で、初めてギリシャ悲劇に挑戦する。生瀬が演じるのは、大竹しのぶが演じるメディアの夫・イアソン。稽古を前にして、今の気持ちを語ってくれた。

――生瀬さんがギリシャ悲劇を演じると聞くと意外な感じがしますが、オファーがあった時どう思われましたか?
「ギリシャ悲劇とかシェークスピアに関してはきちんと勉強したことはないですし、『メディア』も戯曲を読んだことがなかったので、そういう人間が演じてよいのかな?と思いました。僕がギリシャ悲劇をやるなんて未知数でしょ? まあ、未知数のまま終わってしまうかもしれませんが(笑)。でも、せっかく何かを僕に期待していただいたんですから、それに目一杯応えたいなと思っています。ありきたりな芝居はしませんよ!」

――実際に『メディア』を読まれての感想は?
「“会話”が少なくて“独白vs独白”というシーンが多い。だから、例えばメディアが話している間、僕はどうやってセリフを聞けばいいんだろうって…。普通なら途中で言葉をはさみたくなりますよね? これをどういう風につくっていくのか興味がわきました」

――『ハムレット』『パンドラの鐘』で蜷川さんの演出を経験されています。蜷川さんの演出の印象は?
「“ダイナミズム”。もちろん心の流れとかも繊細につくられるんですけど、セリフをしゃべっている役者が云々みたいな話ではなく、お客さんの視線がどういう風に動くのかを考えて、後ろにいる役者やその背景のセットまで全部計算し尽くされて演出されてるんですよ。だから自分は役者として一生懸命やれば、あとは手のひらでうまく転がされている感じかな。僕は蜷川さんのおっしゃられることを、いかに具現化、体現化していくかということだけです」

――大竹しのぶさんとの共演はいかがですか?
「2人で演じるところは相談し合って…というか、舞台上でセリフを交えればわかると思います。これまでの共演で演技論なんか交わしたことないですし、冗談しか話してない。もし稽古場で大竹さんに『生瀬君、その芝居はやめて』って言われたら、そればっかりやってやろうと思ってます(笑)」
大竹しのぶ インタビューはこちら
text by 山下 由美

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