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大竹しのぶ インタビュー
1978年、初演の『王女メディア』。その後、蜷川演出作品としては初めて海外でも公演が行なわれ、1984年のアテネ公演では30分間のスタンディングオベイションによって迎えられたという伝説をもつ作品! NINAGAWA VS COCOONシリーズの第3弾として、全く新しく生まれ変わる。主演の大竹しのぶに舞台にかける意気込みを聞いた。


―― 一昨年の『エレクトラ』(蜷川幸雄・演出)で初めてギリシャ悲劇に挑戦されました。その時の感想を教えてください。
 「演じるまでは、ギリシャ悲劇は“様式的で難しい”というイメージだったので、私には向いていないんじゃないかなと思っていました。でもセリフを言っていると、心が裸になって解放されるんです。演劇の原点を知ったような気がしたし、演じることの幸福感を毎日味わっていましたね。ギリシャ悲劇には、大地があって、太陽があって、神様がいる。そのなかで思いっきり心の奥底から泣いて悲しんでいると、泣いた後にすっきりするのと同じで幸せになるんですよ。現代では心の底に感情を閉まったり、もっと複雑にして完全に感情を表すことってないですよね?だからお客さんも、悲惨な物語なのに見ていると心が解放されてすっきりするんだと思います」

―― 蜷川さんの演出はいかがでしたか?
 「『私にできますか?』とお聞きしたら、蜷川さんは『今までと違うギリシャ悲劇を一緒に作ろう!』と言ってくださって、本当にそれを私にやらせてくれました。だから、すごく感謝しています。何も言わずに『はい、やってみて』という時もあるけど、とても細かく教えて下さる時もあって、それを聞いているのは面白かったです。『エレクトラ』の稽古の時、突然『外でやろう!』とか言い出して、花園神社に行ったんですよ。結局、許可をとってなかったらから怒られてできなかったんですけど(笑)」

―― どのように『メディア』を演じたいと思われてますか?
「生々しく演じたいと思っています。復讐の仕方とか、すごい女性だな…とは思いますけど、彼女は真実に立ち向かっているんです。そこから出てくる人間の哀れなところとかも含めて、きちんと演じたい。蜷川さんにはポスター撮りの時に、少しプランを教えて頂いたんですけど『まだ秘密だから言うな』って言われてます」

―― 生瀬勝久さんとは、久しぶりの共演ですね?
「『パンドラの鐘』(蜷川幸雄・演出)以来です。舞台上での絡みはなかったんですけど、楽屋ではすごく仲良くしていただきました。昼夜の公演の間には、川柳をつくったり、わけのわからないことをして遊んでました。ポスター撮りの時に『ごめんね、仲間由紀恵ちゃんじゃなくて』って言ったら、『本当ですよ…』とか言ってましたけど(笑)。稽古場が楽しみですね」
生瀬勝久 インタビューはこちら
text by 山下 由美
photo by 長谷川 太郎

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