60’sロンドン、モードの旗手の物語

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2022.12.19 UP

インタビュー

【インタビュー】川島文夫さん(ヘアサロン「PEEK-A-BOO」代表)

本展とコラボレーションするヘアサロン「PEEK-A-BOO」代表で、70年代にヴィダル・サスーンのチームに参加した、川島文夫さんにインタビュー。当時の貴重な経験談や、現在まで受け継がれるサスーンの哲学について伺いました。

 

Q.ヴィダル・サスーンのチームに参加することになった経緯を教えてください。

川島さん:Swinging Londonから始まったニュームーブメント。今までの価値観を保ちながら、革命を起こしたロンドンには、革新と変革がありました。

サスーンもヘアのレボルーションを造り、最も影響力のあるヘアサロンになりました。そこに僕が理想とするサロン、ヘアデザイナーが集まったので参加しました。

 

Q.ザ・シェイプやファイブ・ポイントなど、ヴィダル・サスーンが生み出したマリー・クワントのヘアスタイルは、60年代当時からするとどのように革新的だったのでしょうか。

川島さん:女性がコルセットから解放され、スカートからパンツスタイルへと進化。逆毛のヘアスタイルから幾何学的なヘアスタイルへと変化させたサスーンのジオメトリックカットは根底から世界の美容師達に最も刺激を与え、革新的なものでした。
骨格に基づいたヘアカットは世界の女性を魅了し、女性の生き方まで変えました。
 

Q.サスーンのチームとしてマリー・クワントのショーに参加されたご経験があれば、その時の想い出をお聞かせください。

川島さん:70年代のボンドストリートでディレクターのクリストファー・ブロッカー氏が、マリー・クワントのヘアカットをしている所を横目で見て興奮していました。当時はマリー・クワントのショーのヘアセットはサスーンチームが行いました。
ツイッギーを始め、新しい価値観のスーパーモデルが現れた原点だったと思います。
 

Q.クワントとサスーンは、どのような間柄だったのでしょうか。

川島さん:ヘアとファッションは同じ価値観だったので、お互いに刺激し合い、そしてリスペクトして、新しいカルチャーが生まれました。


Q.現在のPEEK-A-BOOに受け継がれる、ヴィダル・サスーンのヘアスタイルに対する哲学やスタイリストの心構え、神髄とはどのようなものなのでしょうか。新しい世代のスタイリストに対して、どのように伝えていますか。

川島さん:PEEK-A-BOOでは、いつもベースカットの基本を大切にしています。それぞれ持っている骨格を土台に、その人の個性をしっかり作ること。そうする事で6週間は自分でマネージメント出来るヘアスタイルが出来るのです。現代女性にも提案している「WASH & GO」*。洗ってタオルで乾かしてすぐに仕事に行ける、髪にかける時間を短縮して、なおかつ、女性らしく輝ける髪型がベストです。

きちんとしたベーシックなカットで、洗っても、風に吹かれても形が崩れない。そして“再現性”があることが大事という事を伝え続けています。

*「WASH & GO」=洗って乾かすだけでスタイルが決まる、ヴィダル・サスーンが提唱したヘアカットのテクニック

ありがとうございました。
 

★ヘアサロン「PEEK-A-BOO」×マリー・クワント展のコラボレーション
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/22_maryquant/collaboration.html#other


★マリー・クワントとヴィダル・サスーンそしてピーク・ア・ブー
https://www.peek-a-boo.co.jp/mq/

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