60’sロンドン、モードの旗手の物語

INTERVIEWインタビュー

INTERVIEW6マリー・クワント

今年92歳になるマリー・クワント本人からコメントが到着しました!

(2022年11月17日 朝日新聞社メールインタビューより抜粋)

《マリー・クワントと、夫でビジネスパートナーのアレキサンダー・プランケット・グリーン》 1960年 Courtesy of Terence Pepper Collection. © John Cowan Archive
《マリー・クワントと、夫でビジネスパートナーのアレキサンダー・プランケット・グリーン》 1960年 Courtesy of Terence Pepper Collection. © John Cowan Archive

Q.ファッションが世の中に貢献できることは何だと考えますか?

クワント:
ファッションは『気持ちのよさ』をもたらしてくれます。それは、自分がベストな状態であり行動(自分自身のための行動に加え、できるだけ他人のためにもしている行動を含む)をコントロールしているという自信を与えてくれます。もし、あなたが知り合いや出会う人に対して、親切心や包容力、助け合いの気持ちを持って思慮深く接するのであれば、そのコミュニケーションはさらに広がり、外部からのプレッシャーや心配事に対し、より前向きなアプローチができるようになるでしょう。

インタビュー クワント2

Q.エリザベス女王の逝去は日本でも多くのメディアで取り上げられました。女王との思い出があれば教えてください。

クワント:
私は生前何度も女王陛下に会い、その知性や興味、ファッショントレンドへの知識にいつも感心させられました。彼女は気品があり、人を惹きつけるユーモアのセンスを持っており、私たちはぶつかり合う色や時には「衝撃的な」デザインについて、異なる意見を交換しました。1966年、私はバッキンガム宮殿で、ファッションへの貢献を称える大英帝国勲章を女王陛下から叙勲され、お気に入りのミニドレスを着て出席しました。そして2006年、「ウィメン・オブ・アチーブメントのレセプション」で再び陛下のお目にかかりました。2015年に「デイム」の勲章をいただいた時は、ロンドンに出かけられる体調ではなかったので、代理人が女王陛下の特別なメッセージを持って自宅に来てくれたのを忘れません。それはとても光栄なことでした。 私は陛下の死を深く悲しんでいます。女王陛下は本当に素晴らしい女性で、多くの愛情を与えてくれた人でした。

Q.日本には川久保玲、山本耀司など著名なデザイナーが多いですが、彼らに続くようなデザイナーになるためにはどのような要素が必要だと感じますか?

クワント:
日本に深く根付いた創造的な文化と、デザイナーやアーティストの素晴らしい能力は、常に世界中のファッション愛好家から賞賛されてきました。そのような伝統や教育、勤勉さに加え巧妙で知的な布の使い方によって、彼らのコレクションはインスピレーションを与えてくれるものとなっています。ファッションは楽しくなければならないことを常に念頭におきながら、世界的な消費者ニーズの変化の重要性とそれに対する理解は、世界の市場に訴えるでしょう。

Q.「マリー・クワント展」へご来場されるお客様にメッセージをおねがいします。

クワント:
チャレンジすること、実験すること、自分が信じるものに手を伸ばすことを恐れないでください。 自信を持って、自分が心地よいと感じるものを身につけ、大胆に、自分らしく、楽しんでください。あなたたちならできます!