60’sロンドン、モードの旗手の物語

INTERVIEWインタビュー

INTERVIEW5野宮真貴さん

ミュージシャンでありエッセイストの野宮真貴さんが本展にご来場!会場をご覧になった感想やクワントのデザインに似合う音楽などを伺いました。

インタビュー 野宮さん1

Q.東京の若者文化の情報発信地である渋谷という街で、世界中の若者が憧れ、熱狂した「スウィンギング・ロンドン」を牽引したクワントの世界観に触れた感想を教えてください。

野宮さん:
マリー・クワントの第1号「バザー」が誕生したロンドン・チェルシーのキングス・ロード、「スウィンギング・ロンドン」の中心となったカーナビー・ストリート…。

新しいカルチャーは、いつだって若者が行き交う都会のストリートから生まれるものです。そして、日本ではファッションや音楽の発信基地は、渋谷。世界のカルチャーと日本のカルチャーが行き交うホット・スポットです。今回「マリー・クワント展」が渋谷にあるBunkamura ザ・ミュージアムで開催されることは、とても意味があると思います。

Q.今回の展覧会をご覧になって、「洋服」について改めて思われたことは何かありますか?

野宮さん:
今回展示されている服の多くが、イギリス全土から寄贈または貸し出されたものだと知って、多くの女性が大切な思い出と共に50年以上もの時を経て大事に保管されてきたことに感動しました。誰にでも思い出の服というものがあると思いますが、思い出の服には、その当時の自分の心が宿っているものです。

これから服を選ぶとき、本当に自分の心が動かされたものを手に入れて、大切に着ていきたいという思いが更に強くなりました。

インタビュー 野宮さん2

Q.本展会場をご覧になり、野宮さんの頭にはどんな曲がよぎりましたでしょうか? また、クワントのデザインにはどんな音楽が似合うと思われますか?

野宮さん:
展覧会の最後に展示されていたマリー・クワントを着たTwiggyの写真がとても印象的でしたが、実は頭の中をよぎっていた曲は、♪ツイッギーのミニスカートで、ツイッギーみたいなポーズで〜 。手前味噌ですが、私の40年前のデビューアルバムの曲でのちにピチカート・ファイヴでカバーされ世界でも有名になった「ツイッギー・ツイッギー」でした。

それ以外に一曲挙げるとすれば、やはりスウィンギング・ロンドン代表のファッションがマリー・クワントなら、音楽はビートルズということで、1964年に公開されたビートルズの初出演映画「A Hard Day’s Night(邦題:ビートルズがやって来る、ヤァ!ヤァ!ヤァ!)のタイトル曲「A Hard Day’s Night / THE BEATLES」。

この映画で、メンバーのジョージ・ハリソンは、マリー・クワントのモデルも務めていたパティ・ボイドと出逢ったのですから。

インタビュー 野宮さん3

Q.もし、野宮さんのライブの衣装をクワントに衣装をデザインしてもらえるとしたら、どんな衣装をデザインしてもらいたいですか?

野宮さん:
60歳になっても似合うミニスカート!ですかね。大人のミニスカート。

歳を重ねると地味な服ではなくて、むしろダイヤモンドや派手な色の服が似合うものです。ミニスカートもそんなアイテムの一つです。

Q.最後に、これから展覧会をご覧になる方へメッセージをお願いします。

野宮さん:
あなたが一番好きなお洋服を着て、世界一待ち合わせの多い場所ハチ公前の交差点から、渋谷109を抜け、文化村通りを颯爽と歩いて、Bunkamura ザ・ミュージアムにある「マリー・クワント展」に来てください。

当時の「スウィンギング・ロンドン」の熱狂、エネルギー、そしてそこで生まれた最先端のファッションやポピュラー・ミュージックなどのユース・カルチャーのエッセンスと共に、当時の女性たちを内面から解放し、輝かせたマリー・クワントの世界をこの展覧会で感じ取ってほしいと思います。

写真提供:J-WAVE 撮影: 夛留見 彩

本展会場を巡る野宮さんを取材したJ-WAVE NEWSの記事も公開中!あわせてお楽しみください。

PROFILE

野宮真貴/ミュージシャン/エッセイスト
1960年生まれ。1981年「ピンクの心」でソロ・デビュー。1982年結成のポータブル・ロックを経て、1990年ピチカート・ファイヴに加入。元祖“渋谷系の女王”として「渋谷系」ムーブメントを世界各国で巻き起こし、以来、音楽・ファッションアイコンとしてワールドワイドに活躍。現在は“渋谷系とそのルーツの名曲を歌い継ぐ”音楽プロジェクト「野宮真貴、渋谷系を歌う。」を行うなど、ソロアーティストとして活動。2021年はデビュー40周年を迎え、音楽、ファッションやヘルス&ビューティーのプロデュース、エッセイストなど多方面で活躍している。現在40周年記念アルバム『New Beautiful』、ポータブル・ロック結成40周年アルバム『PAST & FUTURE ~My Favorite Portable Rock』が好評発売中。

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