Chaphters章解説
Chapter1
History of the Liechtenstein Family and Noble Life リヒテンシュタイン侯爵家の歴史と貴族の生活
リヒテンシュタイン侯爵が収集活動を始めたのは500年以上前のことで、歴代の侯爵が時間をかけて優れた美術品を集めた結果として、輝くばかりの侯爵家コレクションが形成されました。第1章ではそんな侯爵家の人々の肖像画と、貴族生活の雰囲気をよく表した絵画を紹介します。

《リヒテンシュタイン侯ヨーゼフ・ヴェンツェル1世 》
その趣味の広さで侯爵家コレクションの多様性に貢献したヨーゼフ・ヴェンツェル1世(1696-1772) の肖像画。彼はパリ滞在時に初めて現地で注文を出して作品を購入しただけでなく、彫刻の収集にも情熱を注いだ。また有名な「金の馬車」を作らせたのも彼である。君主としての威厳と活力を示すためか、侯爵は描かれた時点の年齢よりも若い姿で描かれている。指揮棒や甲冑は彼の軍事的経歴を示していて、強い明暗の対比により肖像が強調されている。
1725年、油彩・キャンヴァス

《リヒテンシュタイン侯爵家出身のエスターハージー伯妃ゾフィーの肖像》
有名なベートーヴェンの肖像画を描いたことでも知られるシュティーラーによるリヒテンシュタイン侯爵家出身のゾフィー(1782- 1858)。古典世界の君主然とした風貌で描かれている。
1830年頃、油彩・キャンヴァス

《リヒテンシュタイン侯フランツ1世、8歳の肖像》
フランツ1世(1853-1938)が8歳の時の肖像。ブロンドの長髪が美しい美少年として円形のキャンヴァスに描きこまれていて、その満ち足りた表情からは激動の晩年を想像することはできない。
1861年、油彩・キャンヴァス