ヴェルディ:オペラ『オテロ』(演奏会形式)全4幕(原語上演・字幕付き)

記者会見レポート

3月9日、指揮者アンドレア・バッティストーニと真鍋大度(ライゾマティクスリサーチ)が揃って、「オテロ」(演奏会形式)の記者会見を行いました!
世界が注目するイタリア人若手指揮者と、メディアアーティストとしてブレイク中のトップアーティストという斬新な顔合わせで、多くの記者が集結。その様子を映像でお楽しみください!

「今まで見たこともないようなオペラ公演になるのではないでしょうか」

バッティストーニ
今まで東京フィルと演奏会形式によるオペラに取り組んできましたが、演奏会形式とはいえ視覚的な効果も追求してきました。今回は真鍋さんが参加してくれることになり、演出面で飛躍的な進歩が期待できると思っています。最新のテクノロジーを使ってオペラを表現するわけで、今まで見たこともないようなオペラ公演になるのではないでしょうか。今回は若者のためのオペラ公演もありますが、若い人にとっては視覚的なイメージが重要ですから、この公演がオペラへの扉を開けるきっかけになると思います。
『オテロ』はヴェルディのまさに円熟期の作品です。シェイクスピアの原作による『オテロ』『ファルスタッフ』というヴェルディ最晩年の2つのオペラは、当時のオペラ界の潮流の総括であり、プッチーニやレスピーギ、リヒャルト・シュトラウスなど後に続く大作曲家に大きな影響を与えました。ヴェルディはシェイクスピアを敬愛していて、シェイクスピアの原作によるオペラを3つ創作していますが、どれもその前の作品と比べて革新的なものになっています。
『オテロ』におけるシェイクスピア的なテーマは「二重性」です。黒人のオテロが白人より高貴な魂を持ち、中年のオテロより若者のイアーゴの方がインテリなのです。『オテロ』はロマンティックな愛の物語にとどまらない深い作品であり、私たち自身の二重性や感情のニュアンスや知性が、大がかりなオーケストラや合唱によって表現されてゆくのです。
オテロ役のアニーレは、この時代のイタリア・オペラに最適な音色と力強い高音を備えた歌手です。デスデーモナ役のモシュクは、ピュアなデスデーモナにふさわしい天上的な美しさをたたえた声の持ち主ですし、イアーゴ役のインヴェラーディは、歌唱力に加えて俳優としての優れた才能に注目しています。
真鍋大度
私の仕事は、シェイクスピアやヴェルディ、そしてバッティストーニの考えていることを映像に変換、翻訳することです。手順としては、まずバッティストーニにヒアリングをして、彼の頭の中にある『オテロ』のイメージを掴み、さらに彼の動きや目線などなるべく多くの情報を取り、それをコンピューターに取り込んで、もう少し複雑なルールを作り、変換作業を行います。
これまでこのような方法で、スポーツの試合などを映像と音で表現してきました。映画やクラシックコンサートを映像で解析したこともあります。ですが、オペラは初めてです。この経験を通じて自分がオペラを楽しめるようになり、それをお客様と共有できればと願っています。

バッティストーニの本作にかける情熱、新しい「演出」との出会いへの期待、真鍋の新しい分野への意気込みのほどがうかがえる記者会見。いったいどのような「見たこともないようなオペラ」が出現するのか。2017年のクラシック音楽界に旋風を巻き起こすこと間違いなしだろう。