【第2弾】本展への応援コメント
続々到着!著名人のみなさまに、お気に入りの作品を教えていただきました。
あなたの好きな作品はどの作品ですか?展示室でお気に入りを見つけてください。
美術史家・東海大学文学部ヨーロッパ文明学科教授 金沢百枝さんより
ルドルフ二世といえば、まず『驚異の部屋』が思い浮かびます。美しく珍しい自然物、工芸品、美術を蒐集・展示する。つまり、この世界を支配しているというアピールなのでしょうが、皇帝が、宮廷のあるプラハに、ドードーまで連れてきていたとは驚きました。警戒心が薄く、飛べないドードー、絶滅寸前の鳥を見てどう思ったのか、展示中の本の一頁を見ながら思いを馳せました。
美術史家・明治大学名誉教授 森 洋子さんより
画家はこの作品以前に、ミラノのF・ボッロメーオ枢機卿の注文で、豪華な花束の絵を制作しました。その時、彼に与えられた助言は、「神の偉大なる御業を芸術の力で視覚化されれば、キリスト教徒は神への崇拝をより深めるであろう」というものでした。今から20年前、この作品はウィーンの「ブリューゲル兄弟展」でポスターに使われましたが、世界中のヤン・ブリューゲルフアンは前作よりもはるかに強い美的、宗教的な力に魅了され、会場へと誘(いざな)われました。わたしにとっても、今回、ブリューゲル一族のトップ・スターであるヤンの代表作に東京で再会できたのは「驚異の喜び」です。
占星術研究家・翻訳家 鏡リュウジさんより
アピアヌスの天文教科書
天と地、そのすべてを収集しようとした稀代の皇帝ルドルフ二世。が、このルドルフも突然変異ではなく、やはり時代の子だったといえる。大航海により世界が近くなり、望遠鏡により星の世界にもまた手が届くと考えられるようになった。人々が世界の驚異に胸をときめかせ、さらにそれを手にすることができるのではないかと興奮していたのだ。ルドルフはこの時代精神そのものの結晶だったのだ。
そしてこの美しい天球図版は、宇宙そのものの運行を我が手に収めることができるのではないかという、この時代精神の精華でもある。
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