2024.03.14 UP
【コラム】「渋い」をたしなむ
~賑わう渋谷から少し離れた先には──円山町・花街~
3月弥生(やよい):March
冬と春の境目である3月。「弥生」の呼称のほかには「花つ月(はなつづき)」とも呼ばれています。ここでの花は”桜”を差し、いよいよ桜が咲き始めることを意味します。
「渋い」をたしなむ、今月は<渋谷 円山町・花街>に注目します。
鍋島松濤公園の湧水池
かつては渋谷の奥座敷と言われていた円山町・花街。芸者屋や隠れた料亭などゆかりのあるお店が集まり、最近ではNHK朝ドラ「らんまん」で、主人公:槙野万太郎の妻・寿恵子がお店を開いた舞台として注目を浴びたことも記憶に新しいことと思います。
渋谷駅方面から円山町に向かうまで、必ず坂道を登らなければ辿り着けないことから、この場所は、当時は山や丘陵であったことが感じられます。円山町の名前の由来は、丸みを帯びた丘、円状の丘など、当時の地形から付けられたのだとか。
また、京王井の頭線<神泉駅>に位置する場所は昔、湧水が見られていたことから“神泉谷”と言われていました。その湧水を使った湯治場を弘法大師の弟子が建て、「弘法湯」の愛称で多くの人々に利用されていたようです。この「弘法湯」を起点に、のちの<花街>が生まれます。
“花街(かがい/はなまち)”とは、芸妓さんや料亭などが集まり賑わっていた町を表します。はなまち、と言う読み方は、昭和以降に広まったよう。
「おとなの遊び場」として賑わいがあった円山町も、だんだんとお座敷での遊びが減り衰退してしまいましたが、随所に料亭後の建物や飲み屋街など、花街の風情や歴史が香り続けています。
渋谷ではあるけれど、どこか下町の雰囲気を味わえるここ<渋谷 円山町>で、歴史を感じてみてはいかがでしょうか。
#渋アート
#花街
■私が見つけた「#渋アート」■
春を装う カジイチゴ──