2025.07.21 UP
【展覧会情報】
太田記念美術館『葛飾北斎 冨嶽三十六景』
原宿に位置する浮世絵専門の美術館であり、葛飾北斎や歌川広重、歌川国芳など約15000点を所蔵する太田記念美術館。
7月26日(土)より開催される展覧会をご紹介します。
葛飾北斎の傑作を約8年ぶりに一挙公開
世界的にも知名度の高い名作である葛飾北斎「冨嶽三十六景」を、太田記念美術館では2017年以来となる約8年ぶりに一挙公開します。同作は北斎の代表作であることはもちろん、浮世絵の代名詞とも言える作品でもあり、現在もなお世界中の人々を魅了し続けています。
今回の展覧会では、シリーズ全46図に加え、珍しい校合摺や後摺、また同作に着想を与えた『北斎漫画』や、北斎の若年期の版画作品、歌川広重や歌川国芳らの関連作品などもあわせて展示します。加えて、北斎が描いた富士の風景と実際の「地形」との関係にも注目。構図に影響を与えたと考えられる地理的要素を掘り下げることで、北斎の創作意図に迫ります。
葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」
①北斎が描く多彩な富士―全46図を紹介
北斎は、江戸市中から東海地方に至る広範な地域からの視点で、さまざまな富士の様子を描きました。ダイナミックな波が印象的な「神奈川沖浪裏」や「凱風快晴」「山下白雨」などのいわゆる「三役」をはじめ、奇抜な視点で桶の中から富士をとらえた「尾州不二見原」、吹き上がる突風を巧みに描いた「駿州江尻」など、北斎の斬新な発想と多彩な構図を堪能できる全46 図を紹紹介。合わせて校合摺や後摺などの貴重な資料も展示します。
葛飾北斎「冨嶽三十六景 凱風快晴」
葛飾北斎「冨嶽三十六景 山下白雨」
葛飾北斎「冨嶽三十六景 尾州不二見原」
葛飾北斎「冨嶽三十六景 駿州江尻」
②地形から読み解く「冨嶽三十六景」
北斎が「冨嶽三十六景」を描く際、その構図に大きな影響を与えたと考えられるのが、描かれた場所の地形です。なかでも注目すべきキーワードは、「高低差」と「水辺」。多くの作品では、台地や山地の縁(きわ)、あるいは川や海などの水辺越しに富士をとらえており、地形が視点や構図へ巧みに生かされています。本展では、現地の写真や地形図を交えて作品を検証することで、一見するだけでは気づきにくい北斎の工夫に迫ります。
葛飾北斎「冨嶽三十六景 礫川雪ノ旦」
葛飾北斎「冨嶽三十六景 上総ノ海路」
③『北斎漫画』から広重、国芳まで―豊富な関連作品も
北斎は勝川春朗を名乗っていた若い頃から名所絵を手がけました。有名な『北斎漫画』でも「冨嶽三十六景」のもととなる図をいくつか描いており、北斎が70 代で描いた同作は、その集大成とも言える作品です。展覧会では同作をはじめとする北斎自身が描いた先行作や、「冨嶽三十六景」と同じ名所を描いた歌川広重や歌川国芳の作品などの関連資料も合わせて紹介します。
葛飾北斎『北斎漫画』七編「下総 関屋の里夕立」
歌川広重「冨士三十六景 甲斐犬目峠」
歌川国芳「東都名所 佃島」
開催期間:2025年7月26日(土)~8月24日(日)10:30~17:30(入館は17:00まで)
休館日:月曜日(8/11は開館)、8/12
主催:太田記念美術館
会場:太田記念美術館
JR山手線 原宿駅(表参道口)より徒歩5分
東京メトロ千代田線・副都心線 明治神宮前駅(5番出口)より徒歩3分
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-10-10
https://www.ukiyoe-ota-muse.jp/access
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
※MY Bunkamuraでの本展覧会チケットのお取り扱いはございません
チケットの詳細は太田記念美術館ホームページをご覧ください。*外部サイトに遷移します。