2025.06.18 UP
【展覧会情報】
実践女子大学香雪記念資料館『「美人画」再読-麗しい人の系譜』
実践女子大学渋谷キャンパス内にある実践女子大学香雪記念資料館。6月23日(月)より開催される企画展をご紹介いたします。
■『「美人画」再読-麗しい人の系譜』
一般に「美人画」と言ったときには、若い女性を描いた絵のことを思い浮かべるのではないでしょうか。そうした「美人画」が一般化するのは20世紀に入ってからでした。江戸時代には中国の教養ある「文人」を理想とし、それを女性にもあてはめ、書物を読み書画を楽しむ女性の姿を中国風の「唐美人」や日本の女性として描き、鑑賞しました。
寺崎広業《唐美人》 1890年代 絹本着色 *新収蔵品
近代になると西洋文化の影響のもとに、容貌や若さが「美人」の条件とみなされるようになります。男女の性別役割分担によって、女性は受動的な存在とされ、絵画でも頼りなげな女性や愛らしい女児の姿が好まれるようになりました。ただし逆に、こうした主題が女性にふさわしいとされたことから、池田蕉園(いけだ・しょうえん/1886-1917)や栗原玉葉(くりはら・ぎょくよう/1883-1922)ら女性画家たちが積極的に描き、活躍の場を得ました。
栗原玉葉《童女図》 20世紀初期 絹本着色 *新収蔵品
美しい人は女性ばかりではありません。古くは《菊慈童》といった少年を鑑賞する主題がありました。また西洋美術の基本は人体の正確な表現でしたが、西洋でも当初は女性が成人男性を描くことは一般的ではないなか、洋画家の岡村政子(おかむら・まさこ/1858-1936)は少年たちの身体を群像として表わしました。高畠華宵(たかばたけ・かしょう/1888-1966)は健康な身体に少女のような大きな瞳や長いまつげを持つ少年たちを描いて人気を博しました。
岡村政子《忠臣義士》 1891(明治24)年頃 石版・紙 *新収蔵品
美しい人の基準も、それを表現する方法も様々で、そのジェンダーも一つではありません。本展では、美人を“麗しい人”と読み替えて、その歴史と多様性について考える機会とします。
開催期間:2025年6月23日(月)~8月2日(土) 10:30~17:00
休館日:日曜日
主催:実践女子大学香雪記念資料館
会場:実践女子大学香雪記念資料館 企画展示室1・2
JR・東京メトロ・東急電鉄・京王井の頭線「渋谷駅」東口から徒歩約10分
東京メトロ「表参道駅」B1出口から徒歩約12分
〒150-8538 東京都渋谷区東1丁目1番49号
https://www.jissen.ac.jp/kosetsu/information/index.html
TEL:03-6450-6805
※実践女子大学香雪記念資料館は、実践女子大学渋谷キャンパスの創立120周年記念館1階ロビー奥にあります。
駐車場・駐輪場はありませんので、公共の交通機関をご利用ください。
入館の際は、六本木通り沿いにある正面入口右手の警備室に、その旨をお伝えください。
※やむを得ず会期や開館時間を変更する場合があります。最新情報は実践女子大学香雪記念資料館ホームページをご確認ください。*外部サイトに遷移します。
*入館無料
\クイズイベント開催!/
展示作品のうち、河辺青蘭(かわべ・せいらん/1868-1931)《態濃意遠図》または奥原晴湖(おくはら・せいこ/1837-1913)《百福図》のどちらかについて、描かれている人物を数えてみよう!正解した方には数量限定でオリジナルグッズをプレゼントいたします。
奥原晴湖《百福図》 1890(明治23)年 絹本着色 *新収蔵品
プレゼントのオリジナルグッズは、河辺青蘭《態濃意遠図》がプリントされたA5サイズのクリアファイル。ぜひ正解してゲットしてください!
※正解した方お一人につき1点プレゼントいたします。両方の作品で正解した場合も、プレゼントは1点のみとなりますので何卒ご了承ください。
※プレゼントは数量限定です。なくなり次第終了いたします。
\7月5日より開催!/
■下田歌子記念室『所蔵品による特集展示特集展示Ⅰ―涼を呼ぶ』
開催期間:2025年7月5日(土)~8月2日(土) 10:30~17:00
休館日:日曜日
主催:実践女子大学香雪記念資料館
会場:実践女子大学香雪記念資料館 下田歌子記念室
*入館無料