2024.08.13 UP
【コラム】「渋い」をたしなむ~秋来ぬと~
8月葉月(はづき):August
猛暑日が続き一部の地域で体温並みの暑さを記録するなど、体感としては夏本番といったところですが、「立秋」を過ぎて暦の上では「秋」が始まりました。この暑さも「残暑」と呼ばれ、暑中見舞いは残暑見舞いへと変わります。
8月の和風月名は「葉月(はづき)」。
秋に入って木々の葉が落ちる「葉落月(はおちづき)」に由来するという説が一般的ですが、稲の穂が張る時期「穂張月(ほはりづき)」が転じたとする説や、雁が越冬のために到来し始めることに由来する「初雁月(はつかりづき)」が転じたとする説もあるとか。
また、「月見月(つきみづき)」や「秋風月(あきかぜつき)」など、「秋」が感じられる異称が多くあります。
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秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる(藤原敏行朝臣/古今和歌集 秋歌上169)
- 秋が来たと目にははっきりと見えないけれども、風の音にはっと気づいた。
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この歌は、今から1000年以上前、平安時代前期の頃に立秋を詠んだ歌として有名ですが、夏の終わりに吹く風から秋らしさを感じるのは現代でも同じ。厳しい残暑はまだまだ続きそうですが、お盆を過ぎると少しずつ秋の気配も感じられます。風や雲の形、空の色など、日々のあちこちから季節の移り変わりを感じてみてはいかがでしょうか。
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