第86回

ソリスト:ナレク・アフナジャリャン

©Ruth Crafer

―N響との初共演について
「世界で最高のオーケストラのひとつであるNHK交響楽団と共演できることをとても楽しみにしています。どんな音楽家にとっても、彼らのようなオーケストラと共演することは演奏家としての願いのひとつです。今回、ソリストとして出演できることを私もとても誇りに思っています。」

―ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲の聴きどころ
「この作品の最も偉大な点というのは、詩人・芸術家と体制との戦いにあると思います。特にショスタコーヴィチはスターリンとソヴィエトの体制に反対していました。この雰囲気、この時代についてのアイディアやもちうる知識を届けることに最善を尽くしたいと思います。そうした知識の多くは、私のメンター(指導者)である偉大なロストロポーヴィチ氏を通じて私にもたらされたものです。」

―マエステラ・デ・ラ・パーラとの共演について
「 マエステラ・デ・ラ・パーラと演奏をするのは初めてで、とても楽しみにしています。そして、彼女との初共演をNHK交響楽団という素晴らしいオーケストラと共にできるので特に嬉しく思っています。」

―メッセージ
「ショスタコーヴィチの協奏曲を聴くときには、彼がこの作品を書くためどれほどもがいて格闘したかを考え、想像してみてほしいと思います。ソヴィエト体制により受けた厳しい弾圧は、彼の音楽的理想、自由とは正反対のものでした。この悲劇と生きるための戦いの感覚を伝えたいと願っています。最後に、素晴らしい日本の聴衆の皆さまの前で再び演奏できることがとても嬉しいです!また近いうちに皆さまに演奏を届けたいと願っています。 」