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K-BALLET COMPANY / 東京フィルハーモニー交響楽団 熊川版 新作『カルミナ・ブラーナ』世界初演

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Bunkamura×クラシカ・ジャパン スペシャルコラボレーション決定!

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Bunkamura 東京都渋谷区道玄坂2-24-1

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熊川哲也がオリジナルの物語を大曲に授ける新作バレエ、今秋誕生!

1989年9月、Bunkamuraオーチャードホールは、門外不出のバイロイト祝祭歌劇場初来日公演の杮落しでオープンし、2019年に30周年を迎えます。劇場のさらなる発展を願い、9月に30周年記念特別企画として、オーチャードホール芸術監督である熊川哲也が構成・演出・振付を手掛ける新作を発表します。曲は圧倒的な力強さと激しく変化する原始的なリズムの強烈なインパクトで知らぬ者はいないオルフ作曲『カルミナ・ブラーナ』。近年、『カルメン』『クレオパトラ』など新作全幕バレエを圧倒的な演出で発表し続けている熊川が、この世紀の大曲に捧げる新たな物語は、壮大な人類への示唆に富む完全オリジナルの構想に基づきます。

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出演はBunkamuraが擁する2つのフランチャイズカンパニー。昨年新たにフランチャイズ契約を締結したKバレエ カンパニーと、開業以来フランチャイズ・オーケストラとして公演を行う東京フィルハーモニー交響楽団が初の本格共演を果たします。指揮は、世界が注目するイタリアの新星アンドレア・バッティストーニ。ダンサー、歌手ソリスト、合唱、オーケストラ、総勢200名を超えるアーティストが、熊川哲也の元オーチャードホールに集結し、これまでにない『カルミナ・ブラーナ』の世界を具現化します。この曲は、“楽器群と魔術的な場面を伴って歌われる、独唱と合唱の為の世俗的歌曲”という副題が示す通り、本来は舞踊を伴う舞台作品としての上演が前提ですが、大規模な編成が要求されるため、現在多くは略式である演奏会形式で上演されます。本公演は、オルフの原案を実現する機会ともいえるでしょう。奇跡の共演でお贈りする世界初演にご期待ください。

フランチャイズ・システムとは

火花の散るような音楽と舞踊のコラボレーション――

林田直樹(音楽評論家)

一瞬、耳を疑った。
そんなことが実現可能なのだろうか?
熊川哲也とアンドレア・バッティストーニが、コラボレーションするとは――。
バレエ界における熊川と、音楽界におけるバッティストーニは、強大なリーダーシップによって周囲を巻き込んでいく求心力を持っているという意味で、不思議なほどよく似ている。どちらも、ある意味、剛腕の芸術家なのだ。
この二人のカリスマが、一緒になってひとつのものを作り上げるとは、何とスリリングなことだろう!

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しかも、演目は「カルミナ・ブラーナ」。
作曲者のカール・オルフは、1937年にフランクフルトでこの曲を初演して大成功を収めているが、当時のドイツは、ナチスが政権を持ち、ヒトラーが独裁する不吉な時代であった。ユダヤ人は迫害され、ヨーロッパを戦争の暗雲が覆いつくそうとしていた。
今回の熊川によるプロダクションは、そうした時代背景を意識した、大胆な構想によるものだ。本来この作品の主題となっているのは、ストラヴィンスキー「春の祭典」を継承するような、古来からの人類共通の、春の訪れを喜ぶ精神と、善も悪も超えた原始的な生命のエネルギーであり、やがて訪れるであろう破滅と死を受け入れんとする、厳粛な世界観である。そこに熊川は、悪魔の誕生という視点を導入した。

これまで熊川がバレエ作品の創造において常におこなってきたこと、それは舞踊家としての独自の鋭い耳によって音楽の深層から聴き取ったものを、視覚化しドラマ化することであった。
冒頭と最後に出てくるあの有名な大合唱の爆発は、「運命の車輪」という抽象的な観念としてではなく、より直接的に「悪魔」を示す音楽として、捉えなおされることになる。
人間というちっぽけな存在を翻弄する、まがまがしい圧倒的な力、という意味では、その解釈は決して的外れなものではない。むしろそのものずばり本質を突いているとも言えるだろう。

そもそも、オルフは「カルミナ・ブラーナ」を、演奏会用としてではなく、「器楽の伴奏を伴った舞台上演用の世俗カンタータ」として、ダンサーの登場や歌手たちの演技も、前提として考えていた。そういった意味では、バレエ化はむしろ必然である。
問題はむしろ声楽にある。従来のバレエ指揮者は、舞踊に寄り添い支える伴奏としてのオーケストラの扱いには長けていたが、今回はそうはいかない。全編で活躍する歌手たちの力量を十分に発揮させるためには、オペラ指揮者としての技量も必要になってくる。
その点、バッティストーニほど適任の指揮者もいないだろう。若くして、イタリア・オペラを中心に世界各地の一流歌劇場で経験を積んできただけでなく、シンフォニックなレパートリーにおいても強靭で個性的な演奏を展開してきたのだから。
オーケストラ・ピットにいても、舞台上のダンサーたちを挑発するくらいに、オーラを放射し、ダイナミックでグルーブ感あふれる音楽を導き出してくるに違いない。

今回、バレエ・ファンは否応なしに演奏にも注目し、音楽ファンはバレエの面白さにも開眼することになるだろう。火花の散るような音楽と舞踊のコラボレーションが、待ち遠しくてならない。

STAFFスタッフ

  • ©Toru Hiraiwa

    構成・演出・振付

    オーチャードホール芸術監督

    熊川哲也

    北海道生まれ。10歳よりバレエを始める。1987年、英国ロイヤル・バレエ学校に入学。1989年、ローザンヌ国際バレエ・コンクールで日本人初のゴールド・メダルを受賞。ヨーロピアン・ヤング・ダンサーズ・オヴ・ザ・イヤー・コンクール(パリ)でも金賞を受賞。

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    同年、東洋人として初めて英国ロイヤル・バレエ団に入団し、同団史上最年少でソリストに昇格。1993年、プリンシパルに任命された。在団中にボリショイ・バレエ団の『ジゼル』をはじめ各国のバレエ団に客演。1996年から1998年にはセルフ・プロデュース公演「Made in LONDON」を開催している。
    1998年に英国ロイヤル・バレエ団を退団し、1999年、Kバレエ カンパニーを創立。これまでに、プティ振付『カルメン』、マクミラン振付『三人姉妹』、自身のプロダクション『ジゼル』『眠れる森の美女』『白鳥の湖』『コッペリア』『ドン・キホーテ』『くるみ割り人形』『海賊』『ロミオとジュリエット』『シンデレラ』『ラ・バヤデール』『カルメン』などを上演。2004年にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場にてアシュトン振付『ラプソディ』を踊り高い評価を受ける。2006年、上海大劇院にて『ドン・キホーテ』を上演・主演。振付作品には、『ベートーヴェン 第九』『ウォルフガング』『パッシング・ヴォイス』『シンプル・シンフォニー』などがある。2017年には完全オリジナル作品『クレオパトラ』世界初演の成功をおさめる。
    2004年、『白鳥の湖』の演出/振付/出演に対し、第3回朝日舞台芸術賞を受賞。2005年、第55回芸術選奨 文部科学大臣賞(舞踊部門)を受賞。2006年、Kバレエ カンパニーとして『ドン・キホーテ』『くるみ割り人形』の舞台成果に対し、第5回朝日舞台芸術賞を受賞。2012年1月、Bunkamuraオーチャードホール芸術監督に就任。2015年、日本におけるバレエ教育や人材育成に大きな功績を残したと評価され、「第24回モンブラン国際文化賞」を受賞。2018年、『クレオパトラ』の振り付け・演出に至る長年の功績に対し、毎日芸術賞特別賞を受賞。2013年、紫綬褒章受章。

  • Photo:INTERFOTO / Alamy Stock Photo

    作曲

    カール・オルフ

    1895年ドイツ・ミュンヘンに生まれた作曲家。キャリア初期には指揮者や教育者の活動に力をいれており、その後の作曲活動にも大きな影響をもたらしたが、作曲家として大きな名声を得るようになるのは比較的遅い時期であった。

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    1937年にフランクフルトで初演された世俗的カンタータ「カルミナ・ブラーナ」の大成功を機にその名を轟かせることとなった。混声合唱、児童合唱、ソプラノ、テノール、バリトンのソリスト、大編成オーケストラによって演奏される同曲は強烈なリズムと印象的な旋律で聴く者を捉えて離さない魅力を持つ。音楽教育家としても多くの成果を残しており、リトミックの一種であるユーリトミクスにも共感をよせたほか、子供のための音楽教育メソード「オルフ・シュールベルク」の提唱者としても広く知られる。1962年にはNHKの招聘により来日をしている。1982年ミュンヘンにて死去。

  • ©Antonio Olmos

    衣裳・美術デザイン

    ジャン=マルク・ピュイッソン

    フランス生まれ。ロンドンを拠点に国際的に活躍する劇場美術・衣裳デザイナー。パリ・オペラ座バレエ学校およびパリ国立高等コンセルヴァトワールで学び、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団とシュツットガルト・バレエ団でプロのダンサーとして活躍。その後、ロンドンのモトリー・シアター・デザインでデザインを、ソルボンヌ大学で芸術史を学ぶ。

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    デザイナーとしてデビューしてからは瞬く間に多くの振付・演出家の信頼を得、ロイヤル・バレエ団『DGV:Danse a Grande Vitesse』『Aeternum』『Tryst』(ウィールドン振付)、『ジュエルズ』(バランシン振付)、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団『四季』『テイク・ファイヴ』(ビントリー振付)、ドイツ・ライン劇場バレエ団『ジゼル』(ギールグッド版)、ロイヤル・オペラ・ハウス『アイーダ』(マクヴィカー演出)、サンタフェ・オペラ『蝶々夫人』(ブレイクリー演出)、パリ・シャトレ座『王様と私』など数々のオペラ、バレエ、演劇の美術・衣裳のデザインを手掛けている。
    2016年ブノワ賞ベスト美術家賞ノミネート、2008年の『ジュエルズ』、2013年の『Aeternum』はローレンス・オリヴィエ賞 最優秀新作ダンス部門を受賞。ロンドンのザ・ロイヤル・セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマのゲスト講師、2018年よりニューヨーク大学バレエ・芸術センターのレジデント・フェロー。

CAST出演者

  • ©上野隆文

    指揮

    アンドレア・バッティストーニ

    東京フィルハーモニー交響楽団 首席指揮者
    1987年ヴェローナ生まれ。アンドレア・バッティストーニは、国際的に頭角を現している同世代の最も重要な指揮者の一人と評されている。2013年ジェノヴァ・カルロ・フェリーチェ歌劇場の首席客演指揮者、2016年10月東京フィル首席指揮者に就任。

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    『ナブッコ』『リゴレット』(二期会)、グランドオペラ共同制作『アイーダ』のほか、ローマ三部作、『展覧会の絵』『春の祭典』等数多くの管弦楽プログラムで東京フィルを指揮。東京フィルとのコンサート形式オペラ『トゥーランドット』(2015年)、『イリス(あやめ)』(2016年)、『メフィストーフェレ』(2018年)で批評家、聴衆の双方から音楽界を牽引するスターとしての評価を確立。同コンビで日本コロムビア株式会社より9枚のCDをリリース。スカラ座、ヴェニス・フェニーチェ劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、スウェーデン王立歌劇場、アレーナ・ディ・ヴェローナ、バイエルン国立歌劇場、マリインスキー劇場等、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管、イスラエル・フィル等世界の主要歌劇場・オーケストラと共演を重ねている。2017年には初の著書『マエストロ・バッティストーニの ぼくたちのクラシック音楽』を音楽之友社より刊行。2013年ジェノヴァ・カルロ・フェリーチェ歌劇場の首席客演指揮者、2016年10月東京フィル首席指揮者に就任。

  • ©Shunki Ogawa

    バレエ

    K-BALLET COMPANY

    1999年、英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルとして世界の頂点を極めたバレエダンサー熊川哲也が、自ら芸術監督を務めるKバレエ カンパニーを設立。設立当初より古典全幕作品を中心としたレパートリーに意欲的に挑み、熊川自身が古典に対して抱いてきた敬意と理想を形にしたプロダクションを「熊川版」として次々と発表。

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    『白鳥の湖』や『くるみ割り人形』といった古典バレエの名作をはじめ、オペラ原作の『カルメン』、台本・音楽から全ての構成を手掛けた完全オリジナル作品『クレオパトラ』を全幕バレエとして初演。そのレパートリーは全幕だけでも12作品を数えるほか、アシュトン、バランシン、プティなど世界的振付家の作品などレパートリーは多岐にわたる。2005年には、専属オーケストラとしてシアター オーケストラ トーキョーを設立。カンパニーの成長と発展は、国内外での評価にも顕著に結び付き、クラシック・バレエ界として初の朝日舞台芸術賞受賞や、海外では、2004年NYのメトロポリタン歌劇場で開催された「アシュトン記念公演」に招聘されている。また、2015年1月からは「ローザンヌ国際バレエ・コンクール」に日本のバレエ団で初めてオフィシャルパートナーカンパニーとして提携。本物のバレエ教育の振興のために2003年に創立したKバレエ スクールも現在全国に6校を展開し、国内外で活躍するプロのダンサーを生み出している。2019年に設立20周年という節目を迎え、熊川が築き上げてきた確たる基盤のもと、世界的文化価値を継承するプロフェッショナルカンパニーとして、進化し続けている。2018年、Bunkamuraオーチャードホールとフランチャイズ契約を締結。

  • ©上野隆文

    管弦楽

    東京フィルハーモニー交響楽団

    1911年創立。日本で最も長い歴史をもつオーケストラ。メンバー約130名、シンフォニーオーケストラと劇場オーケストラの両機能を併せもつ。名誉音楽監督チョン・ミョンフン、首席指揮者アンドレア・バッティストーニ、特別客演指揮者にミハイル・プレトニョフを擁する。

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    Bunkamuraオーチャードホール、東京オペラシティコンサートホール、サントリーホールでの定期演奏会や「平日の午後のコンサート」「休日の午後のコンサート」等の自主公演、新国立劇場等でのオペラ・バレエ演奏、『名曲アルバム』『NHKニューイヤーオペラコンサート』『題名のない音楽会』『東急ジルベスターコンサート』などの放送演奏、各地学校等での訪問コンサート等により、全国の音楽ファンに親しまれる存在として、高水準の演奏活動とさまざまな教育的活動を展開している。海外公演も積極的に行い、国内外から高い評価と注目を得ている。
    1989年からBunkamuraオーチャードホールとフランチャイズ契約を結んでいる。東京都文京区、千葉県千葉市、長野県軽井沢町、新潟県長岡市と事業提携を結び、各地域との教育的、創造的な文化交流を行っている。

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