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アジアの奇跡、再び。"踊る精霊"ヤン・リーピンのすべてがここにある原点にして代表作「孔雀の舞」の決定版! ヤン・リーピン「孔雀」芸術監督・構成・主演 ヤン・リーピン

2014年5月23日(金)~6月1日(日)

Bunkamuraオーチャードホール

制作発表会見レポート

「人生観が込められた」ヤン・リーピンの集大成!

飛翔するかのようにしなやかでかつ大胆な腕の動き、神が宿るかのような研ぎすまされた指先……。
『シャングリラ』『クラナゾ』で日本の観客をうならせた舞踊家ヤン・リーピン。彼女が芸術総監督・総演出・主演をつとめる最新作『孔雀』が5月から日本で上演される。それに先駆け行われた、制作発表記者会見の様子をお届けします。

鮮やかなオレンジ色の衣装で登場したヤン・リーピン。3年ぶりの来日となるが、以前と変わらず凛とした美しさは健在。一緒に登場したのは、彼女の姪で15歳のツァイー・チー。日本の紅白歌合戦のような番組である中国国営テレビの番組「春節晩会」で、4時間ひたすら同じ場所で回り続けるという舞を披露し、日本でもニュースになった少女だ。
『孔雀』は、移りゆく四季を背景に、孔雀の誕生・成長・恋愛・老いなどを描いた壮大でモダンな舞踊劇。少数民族に伝わる伝統舞踊を集めた『シャングリラ』や『クラナゾ』とは全く違う作品だという。
「作品には生命、愛など色々なものが込められています。物語の春夏秋冬を人の一生に置き換えることもできますし、逆らうことのできない自然のなかで人はどのように生きて行くのか?と読み取ることもできます。舞台に登場する様々なキャラクターは、人の良い面だけでなく悪い面を表現するものもあり、また時間や神様のような役もあります」(ヤン・リーピン)。
ヤン・リーピン自身が演じるのは孔雀。彼女の代名詞ともいえる孔雀の舞をパワーアップさせ、孔雀が生まれてから死んでいくまでを、ソロだけでなくデュエットや群舞などで表現している。
「孔雀は私たち少数民族にとって、鳳凰のようなとても神々しい存在です。その孔雀を踊るということは儀式のような意味合いもあるので、私は毎回、舞台に上がるたびに新しく生まれたばかりの自分になろうと心の準備をしています。自然界にはトンボやチョウチョのように短い一生を終えるものがありますが、それと同じように私は2時間という上演時間の間に毎回、新たに生まれて死ぬ……ということを繰り返しているのです」(ヤン・リーピン)。

"時間"を演じるのはツァイー・チー。止まることのない"時"を表現するため、舞台上で緩急をつけながらも、ひたすら回るという舞を披露する。
「彼女は1歳で両親のもとを離れて、私のところへ来ました。1歳を過ぎた頃から回るのが大好きで、その特技をいつか作品のなかで咲かせてあげたいと思っていました。時間なので途中で止まることはできません。最初は2時間も回れれば大したものだと思っていましたが、テレビ番組ではなんと4時間も回ってしまったのです」(ヤン・リーピン)。
「回ることは大好きですし、挑戦したいという気持ちがあるんです。4時間回れたのは、その結果だと思います」(ツァイー・チー)。

今回、美術監督と衣裳デザインを手がけるのは、映画『グリーン・デスティニー』でアカデミー賞をダブル受賞したティム・イップ。音楽にはモンゴル人の音楽家を招き「美術、衣裳、音楽の面でも楽しんでいただける作品」(ヤン・リーピン)とのこと。
会見では、ツァイー・チーが実際にその場で回ってみせたり、ヤン・リーピンの変わらない美の秘訣が食事にあることなども語られた。
これまでとは違う要素がたくさん詰まって、様々な角度から楽しめる『孔雀』。5月の来日公演が待ち遠しい。

取材・文:山下由美
写真:宮川舞子