<第1幕(パレルモの大広場)>
1282年3月30日(復活祭の月曜日)、パレルモ市中。有名な序曲に続き幕が開く。フランス兵たちが酒を飲みながら大騒ぎし、占領下のシチリア人たちは彼らへの憎しみを囁きあう。兄を処刑されたエレナ公女が現れ、公女の歌にシチリア人たちは復讐に駆り立てられる。そこへ総督モンフォルテが登場し人々は逃げ去る。釈放されたアッリーゴが現れ、総督はアッリーゴにエレナの館への出入りを禁じるが、アッリーゴは愛するエレナのためには死をもいとわないと言う。
<第2幕(パレルモ近郊の海に近い美しい谷間)>
亡命していた憂国の士プローチダが祖国の土を踏んで感涙にむせぶ。偶然、教会から出てきたエレナとアッリーゴに暴動を起こすよう促す。しばらくして戻ってきたプローチダはアッリーゴがフランス士官に拉致されたことを知り、策略を練る。広場では若い村人たちが踊っている。プローチダにそそのかされたフランス兵士たちが突然襲いかかり、娘たちを連れ去る。花嫁を奪われたシチリア人たちは怒りに燃え復讐を誓う。
<第3幕 第1場(モンフォルテ宮殿の居間)>
総督は、反フランス派の首領アッリーゴがシチリア女性との間に生まれた自分の私生児であることを知る。宮殿に連れてこられたアッリーゴに、総督は「自分を父と呼んでくれるなら富も名誉も与えよう」と言うが、アッリーゴは突然知る出生の秘密に驚き、エレナへの誓いと父への思いに引き裂かれて嘆く。
<第3幕 第2場(総督邸の豪華な大広間)>
エレナとプローチダが仮面を付けて祝宴に紛れ込み、アッリーゴに暗殺計画を告げる。エレナとプローチダは短剣を抜いて総督に襲いかかるが、アッリーゴはとっさに父親をかばい、暗殺者たちは逮捕される。シチリア人たちはアッリーゴの裏切りに怒り、総督は息子の変身を喜ぶ。
<第4幕(砦の中庭)>
アッリーゴは牢獄を訪れてエレナに総督が自分の父親であることを打ち明け、許しを請う。エレナは恋人の過ちを許すが、プローチダはアッリーゴを許さない。処刑の準備が整う。アッリーゴは皆の前で総督が自分の父親であることを認めることで処刑を中止させる。総督は反目するフランス人とシチリア人の和解の印に、その日の晩課の時刻に、アッリーゴとエレナの結婚を挙行するように命じる。プローチダはこれを復讐の好機と目論む。
<第5幕(モンフォルテ宮殿の庭)>
騎士や娘たちが婚礼を祝う。プローチダはエレナに、婚礼の鐘が反乱の合図だと伝える。殺戮を避けるために、エレナは結婚を拒否することによって自ら犠牲になろうと決心するが、その時、総督の合図で婚礼の鐘が鳴り響き、武装したシチリア人たちがフランス人に襲いかかる。
Photos:マッシモ劇場提供