TEATRO MASSIMO
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シチリア島の夕べの祈り
カヴァレリア・ルスティカーナ
道化師
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道化師<イタリア語上演・日本語字幕付>

台本・作曲:ルッジェーロ・レオンカヴァッロ(1829年)
初演:1892年5月21日、ダル・ヴェメル劇場(ミラノ)

ヴェリズモ・オペラの最高傑作

「カヴァレリア・ルスティカーナ」と同様、ソンツォーニョの1幕オペラのコンクールに応募した作品。1865年5月5日、南イタリア・カラブリアのモンタルト・ウッフーゴで起きた殺人事件にヒントを得て作曲されたといわれる。劇中劇をオペラに導入するなど、レオンカヴァッロ自身による台本は見事。プロローグの前口上でヴェリズモ・オペラの核心を宣言し、カニオのアリア「衣装をつけろ」は圧巻だ。

登場人物

カニオCanio (テノール):旅芝居一座の座長、劇中劇ではパリアッチョ
ネッダNedda (ソプラノ):カニオの妻、劇中劇ではコロンビーナ
トニオTonio (バリトン):一座の仲間、劇中劇ではタデオ
ペッペPeppe (テノール):一座の仲間、劇中劇ではアルレッキーノ
シルヴィオSilvio (バリトン):村の青年、ネッダの愛人

あらすじ

<プロローグ>

道化師トニオが「ごめんなさって、紳士淑女のみなさま・・・我々の衣装よりも我々の魂をご理解ください」と前口上を述べる。

<第1幕>

1865年ごろ、聖母被昇天祭の祝日(8月15日)、南イタリアのカラブリア地方の村はずれ。旅芝居の一座を村人たちが喝采して出迎える。座長カニオが「今夜の芝居に是非お越しを」と宣伝。教会から晩鐘が聞え、村人たちは「金の合唱」を歌いながら家路につく。誰もいなくなった芝居小屋の前で、トニオがネッダに言い寄るが、ネッダは醜いトニオに取り合わない。そこにネッダの愛人で村の優男シルヴィオが現れ、二人は愛の二重唱を歌い、今夜駆け落ちすることを約束する。それを盗み見たトニオは、カニオに伝えに走る。戻ってきたカニオはネッダに詰め寄り、怒り狂う。カニオはアリア「衣装をつけろ、悲しいときも人様を笑わせなければならないのが道化師。笑えパリアッチョ」を歌い、一人号泣する。

<第2幕(劇中劇)>

間奏曲に続き、村人たちが芝居小屋で開幕を待っている。ネッダとシルヴィオは駆け落ちの打ち合わせをする。劇中劇の幕が上がると、ネッダ扮するコロンビーナが夫の留守をいいことにペッペ扮する恋人アルレッキーノと密会する。劇中劇で「今夜からずっとあなたのものよ」とささやくコロンビーナの言葉に、カニオは現実と芝居の区別がつかなくなってくる。カニオ扮するパリアッチョは家の中に他の男がいたとコロンビーナに罵り、「もうパリアッチョではないぞ」とネッダに激しく迫る。観客は迫真の演技に喝采を送るが、なんだか様子がおかしい。激しくやりとりする二人に殺気を感じる。ついにカニオはナイフでネッダを刺し、観客席から飛び出してきたシルヴィオにもナイフを突き立てる。観客は総立ち。カニオは「芝居は終わった」と呆然として告げ、悲劇が終わる。

Photos:マッシモ劇場提供

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