塩谷 |
「小曽根さんは世界的なピアニストで、ジャズは好きで憧れてたけど自分には“できない”と思ってましたから」 |
|
「嬉しいけど、不安」そんな気持ちを抱えたまま、塩谷は小曽根とメールなどを通して音楽について語り合った。その時期は塩谷が1999年から3年間にわたりオーチャードホールでの「COOL
CLASSICS」に出演、「第九」などのクラシックの名曲をソルト(※塩谷の愛称)流にアレンジする意欲的な企画を展開し、ミュージシャンとして、ピアニストとして意識が高まって来た頃に重なる。「もっとピアノを自分に近づけたい」そう思い始めた塩谷は、小曽根のラブコールに覚悟をきめて応えることにした。実際にコンサートを実現したふたりは…… |
小曽根 |
「やっぱりスゴかったですね。ソルトはものすごく耳のいいミュージシャンで、自分が中途半端なことをすると全部ばれるんですよ。テーマはありますけど即興ですから、ふたりで本当に正直なところでどれだけ音楽を作れるか?1回1回のステージが勝負です」
|
塩谷 |
「最初のリハーサルでは“自分がどう弾くか?”に気を取られて、自分の音だけがうるさく感じました。そこで色々考えて、“小曽根さんと一緒に感じることを弾こう、ふたりでひとつの音楽を作ろう”という気持ちに変わってきました。そうしたら本当に自由になれて、楽しくなってきたんです」
|
|
最初のリハーサルから、一晩で別人のように自由になり進化してしまった塩谷。小曽根は彼の姿に、昔の自分の姿を投影し共感する。 |