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見どころ


作品は全てオランダ・ハーグ市立美術館より来日

今回の作品群は全てオランダから来日するコレクションとなります。首都アムステルダムから車で南西へ約1時間の場所にあるハーグ市立美術館のコレクションです。ピエト・モンドリアンの世界最大のコレクションで知られるこの美術館に、エッシャーが没した1972年、彼の作品のほとんどが遺贈されました。その作品群を中心に、美術館から5キロほど離れた場所にある宮殿を利用して2002年11月、エッシャー美術館が開館しました。宮殿の1〜4階のフロアを贅沢につかった空間にはエッシャーの作品に加えて、独特の形のシャンデリアが飾られ、鑑賞者を不思議な世界に誘います。エッシャー美術館で見ることが出来るエッシャー作品はハーグ市立美術館所蔵のものです。今回は、このコレクションより秘蔵作品を紹介します。

《エッシャーノート》の公開決定

日本初公開となるエッシャー手書きの制作ノート《エッシャーノート》の出品が決定しました。

「アルハンブラのムーア人のおかげで、規則的な面分割の関係が見つかるよりずっと前から私自身にもそのことが分かっていました。ただ最初はどうすれば自分の形をシステマティックに作り出せるか分からなかったのです。」
M.C.エッシャー ユトレヒト 1958年

スペインのアルハンブラ宮殿のモザイクに出会ったエッシャーは模様の仕組みを紐解き始めます。「最初は分からなかった」その法則の解明に繋がる《エッシャーノート》。日本で初めての公開となる《エッシャーノート》では、エッシャーが紐解いた一つの法則、正則分割の仕組みをめぐるエッシャーの思考の痕跡を知ることが出来ます。

エッシャーは版画家

エッシャーの作品は、「版画」です。エッシャーは自らを芸術家ではなく、全身全霊をかけた版画家でありたいと願いました。今回の展覧会には、制作過程で必要となった版を準備するための直筆の下絵や道具なども出品されます。版画には様々な技法がありますが、大きく4つに分けることが出来ます。凸版(木版など)、凹版(銅版)、平版(リトグラフなど)、孔版(シルクスクリーンなど)です。エッシャーは特に木版とリトグラフを使用しました。版画で作品を制作する場合、単純に何かを表現するという作業に加えて、「版を作る」そして「刷る」という独特の技術が必要となります。専門の彫師や刷師に任せて作品を制作する作家がいる中で、エッシャーは、木版と銅版に関しては全ての工程を自らこなしました。今回の展覧会では、だまし絵の巨匠といった既存のイメージから一歩踏み込み、版画家としてのエッシャーの素晴らしさも紹介します。

最新のデジタルコンテンツ

エッシャーは1972年になくなりました。では、彼がこの2006年に生きていたら、どのような技術を使い、どのようなことを考え、創作したのでしょうか?
本展はエッシャーの生きた時代には生み出されていなかったデジタル技術を駆使して、新たな鑑賞体験をしていただく準備を進めています。エッシャーが作り出した世界観を現代の視点から作り出した場合、どのように感じられるのでしょうか? お楽しみに。

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