2005/8/9(火)〜10/23(日)

ギュスターヴ・モロー(1826-1898)

  パリ生まれ。1846年にパリ美術学校に入学、ピコの指導を受ける。アングルの古典主義とドラクロワのロマン主義を受け継いだシャセリオーに影響を受ける。1852年サロンに初入選。1857−59年イタリアに滞在し、古典絵画の滋養を吸収する。1864年《オイディプスとスフィンクス》でメダルを獲得し、1866年には《オルフェウス》が国家買い上げとなり、画家としての地歩を固めた。1892年国立美術学校の教授となり、マティス、ルオーら時代を担う画家たちを育てた。1898年死去。神話や宗教的主題を扱いながら、極めて自由で個性的な解釈によるイメージを創出し、象徴主義の先駆者となった。



ギュスターヴ・モロー美術館

パリの静かな住宅街にあるギュスターヴ・モロー美術館は、モローが住宅兼アトリエとして使っていたところを、1898年の死去に際し、自宅建物と膨大なコレクションを国家に遺贈して美術館として生まれ変わった世界初の個人画家の美術館です。展示室は、作品が壁中を覆い尽くすように展示されており、夥しい数のデッサンや水彩画も閲覧できるようになっています。濃密な雰囲気に酔ってしまいそうな、そして一度はまったら抜け出せないようなモロー作品の魅力を体現した美術館といえるでしょう。

モローは生前から「パリの真ん中に隠れ住む行者」と呼ばれていたごとく、その私生活は謎に満ちていました。想えば、この瞑想的な生活の中からこそ、モローのあの、幻想的な、魅惑の絵画世界が生まれてきたのですが、その彼が、自らの没後に、いわば、創作の秘密を美術館として公開しようと考えたのです。世の興味を引かないわけがありませんでした。ここには、約14,000点もの驚くべき数の油彩画、素描、資料類が遺されていて、今もなお、調査、整理が続けられているほどです。


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