ベルギー象徴派展 2005/4/15(金)〜6/12(日)
作家紹介

フェルナン・クノップフ Fernand Khnopff (ベルギー 1858-1921年)
1870年代後半に幾度かパリに赴き、ギュスターヴ・モローなどの作品にひかれる一方、ラファエル前派の影響も受けました。ブリュッセルで学び、「レ・ヴァン(20人会)」の前衛美術運動創設に参加。1885年ペラダンに会い、彼の主催する「薔薇十字美術展」にも出品。その女性像やスフィンクスは寓意性に富み、すべての作品は神秘的な静けさと憂愁に包まれています。ベルギー象徴派絵画の代表的存在。クリムトにも影響を与えました。


ジャン・デルヴィル Jean Delville (ベルギー 1867-1953年)
ルーヴェン生まれ。1892年から3年間、薔薇十字団が主催する展覧会に出品。フランスのアカデミーが主宰するローマ賞を受賞し、その後4年間イタリアに滞在しますが、この間もブリュッセルで展覧会を企画するなど、ベルギー象徴派の中心人物の一人でした。ペラダンとワーグナーの影響を受け、秘教的、異教的な主題を扱い、劇的な画風の印象が強い。ベルギー象徴派を代表する画家の一人。


フェリシアン・ロップス Félicien Rops (ベルギー 1833-98年)
ベルギー南部・ナミュール出身の版画家。ブリュッセルで学び、風刺新聞を創設し、リトグラフによる作品を発表しました。パリ、ブリュッセルでソフトグラウンドエッチングによる挿絵画家として活躍し、ボードレールら象徴派の文学者と交わりました。写実的な風景画、風俗画を描いたほか、その濃厚なエロティック、グロテスク表現は、まさに世紀末の頽廃美そのものといえるでしょう。


レオン・フレデリック Léon Frédéric (ベルギー 1856-1940年)
ブリュッセル生まれ。1878年から翌年にかけてイタリアに留学し、初期ルネサンス美術に影響されました。帰国後、美術サークルに参加、宗教画や自然主義的な作品を制作しました。しかし次第に我教的な世界に入りこみ、三幅対や、数枚の組パネルにスケールの大きな構想で描かれた作品は徹底した写実的な画風をもち、圧倒的な迫力で見る者に迫ってきます。


ジェームス・アンソール James Ensor (ベルギー 1860-1949年)
ベルギー、オステンド出身の版画家。印象派の影響を示すアンティミスト風の室内画、静物画、風景画により早くから注目されました。前衛的な芸術運動「レ・ヴァン(20人会)」にも参加。1887年頃より、明るい色調に一転。次第に骸骨、悪霊、迫害される救世主などの伝統的画像を換骨奪胎し、または、仮面に託して独自の生と死、そして人間性の寓意を描きました。死の雰囲気に包まれた幻想はボスやブリューゲルなどフランドルの古い伝統にもつながっています。


レオン・スピリアールト Léon Spilliaert (ベルギー 1881-1946年)
オステンド生まれ。1904年にパリに滞在し、ムンクとロートレックに影響を受けました。胃潰瘍のため、不眠症となり、夜に活動するようになり、人気のない土手道、夜の港町のさみしげな情景を水彩、パステル、墨などで描きました。1907年から1913年にかけて表現主義的要素が加わり、独自の様式を確立していきました。この頃、多くの自画像や海や空を背景に明確なフォルムの人物を対置する作品を制作しました。


ヤン・トーロップ Jan Toorop (オランダ 1858-1928年)
ジャワ生まれのオランダの画家。ブリュッセルでベルギー象徴派の画家や詩人たちと交わり、アンソールの影響を受けました。特徴は神秘的に様式化された細長い人体、アールヌーヴォーの曲線を駆使した豊な装飾性にあります。その特異なイメージには少年期に見たジャワの美術が影を落としています。


その他の出品作家
グザヴィエ・メルリ Xavier Mellery
ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンク William Degouve de Nuncques
オーギュスト・ドネイ Auguste Donnay
シャルル・ドゥドゥレ Charles Doudelet
エミール・ファブリ Émile Fabry
アンリ・ド・グルー Henri de Groux
ジョルジュ・ル・ブラン Georges Le Brun
ジョルジュ・ミンヌ George Minne
コンスタン・モンタルド Constant Montald
アルマン・ラッセンフォス Armand Rassenfosse
シャルル・ヴァン・デル・スタッペン Charles Van der Stappen
ウジェーヌ・ラールマンス Eugéne Laermans
ポール・デ・ボワ Paul Du Bois

全20作家約100点出品予定


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