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「フリーダ・カーロとその時代
メキシコの女性シュルレアリストたち」 |
20世紀前半、革命の嵐も終息に向かい、メキシコ・シティーは外国からも多くの芸術家や知識人を惹き付け、活気ある、しかし混沌とした国際都市へと成長していました。そしてその中でひときわ輝きを放ったのは、自らの内面世界を描き出したフリーダ・カーロを筆頭とする、才気あふれる女性芸術家たちの存在でした。
洗練された幻想的な作風で知られるレオノーラ・キャリントンは1942年にイギリスから、同じくファンタジックな、絵本のような世界を描いたレメディオス・バロは1941年にスペインから亡命。またオーストリアから来たアリス・ラオンは、シュルレアリストの夫とメキシコに来てから画家になり、一風変わった心象風景を作品に残しています。そしてこのグループがヨーロッパ的な洗練された作風で勝負していたとすれば、メキシコ人であるフリーダ・カーロやマリア・イスキエルドの場合は、同じくシュールな領域を扱うなかで、メキシコの土着的なものを感じさせる強烈なイメージの作品を打ち出していきました。
また写真の分野でも女性が活躍しました。カティ・オルナとローラ・アルバレス・ブラボは、シュルレアリスムの流れを汲むイメージを追及するかたわら、メキシコで活躍する芸術家たちも写真に収めました。
灼熱の太陽、弾けるギター、テキーラの酔い、そして女性たちの情熱。本展はこれら5人の女性画家の作品約85点と、写真作品50点で構成され、常にメキシコということを意識しながら見ていただきたい、熱い展覧会なのです。 |
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